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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第1章「崩壊する日常編」
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第4話「父の部屋に残された秘密」

深夜。


ルーカスの家


かつては家族の笑い声があった場所。


しかし今は、静寂に包まれていた。

外からは時々、遠くで響く機械音が聞こえる。


ガシャン……。


ガシャン……。


暴走したロボットが、まだ街を歩いている。


「ここが……お前の父さんの部屋か」

ジェイクが扉を見る。


ルーカスは黙って頷いた。


目の前の扉。


10年間。


一度も開けることができなかった。


父親が失踪した日から。


「入るぞ」

ルーカスはゆっくり扉を開ける。


部屋の中は、時間が止まったようだった。


机の上には古い資料。


棚にはロボットの設計図。


壁には研究データ。


「本当に研究者だったんだな……」

ジェイクが呟く。


ルーカスは部屋を見回す。


父親との記憶。


優しかった父。


機械について楽しそうに話していた父。


そして突然いなくなった父。


「何を調べてたんだよ……」

ルーカスは机の引き出しを開ける。


中には大量の資料が入っていた。


しかし。


ほとんどが専門的な内容で理解できない。


ミリアが資料を見る。

「これは……」

彼女の表情が変わる。


「ロボット通信に関する研究資料」


ルーカスを見る。


「あなたのお父さんは、ロボットの動作命令について研究していたみたい」


「動作命令?」


「ロボットがどうやって判断して行動するか」

ミリアは資料を読み進める。

「でも……普通の研究じゃない」


ページの一部。


そこには赤い文字で書かれていた。


【未知通信】


【ロボット専用受信信号】


ルーカスの息が止まる。


「……これ!!今回の事件と同じじゃないか」


ミリアは頷く。

「おそらく……あなたのお父さんは、この現象を以前から調べていた」


ジェイクが周囲を見る。

「じゃあ、父親はこの事件を予想してたってことか?」


「可能性はある」


その時。


ルーカスは机の奥に小さな箱を見つける。


古い金属製の箱。


表面には父親の字。


【ルーカスへ】


「……俺宛て?」


三人の空気が変わる。


ゆっくり箱を開ける。


中に入っていたのは、一枚のメモ。


『もしこの箱を開けているなら、世界に異変が起きたということだ』


ルーカスは息を飲む。


続きにはこう書かれていた。


『私は、ロボットを敵にする存在が現れる可能性を発見した。しかし、その正体を突き止める前に時間がなくなった……もしロボットが暴走したなら、私の研究を探してほしい。ただし、誰も信用するな』


最後の一文。


ルーカスの表情が変わる。


「誰も信用するな……?」


その意味は分からない。


父親は誰を警戒していたのか。


人間か。


ロボットか。


それとも――


別の何か。


その時。


部屋の奥から小さな音がした。


ピッ。


三人が振り返る。


壁に埋め込まれていた古い端末が起動する。


画面に表示された文字。


【アレン・レイン研究記録】

【最終アクセス:10年前】


ルーカスは画面に近づく。

「父さん……」


端末には、地下施設への入口を示すデータが表示されていた。


【研究区画】


【場所:自宅地下】


ジェイクが驚く。

「地下……?」


ミリアも目を見開く。

「この家の下に研究施設があるの?」


ルーカスは黙って頷く。


父親は。


10年前から。


この日のために何かを残していた。


しかし、その時。


外から大きな音が響いた。


ドォォォン!!


家の壁が揺れる。


「何だ!?」


窓の外を見る。


そこには――


大型暴走ロボット。


しかも。


ルーカスの家へ向かって歩いていた。


「……見つかった?」

ルーカスは恐怖する。


まだ戦える力なんてない。


ただ逃げるしかない。


だが。


地下への扉は、目の前にある。


父親が残した秘密。


その先に何があるのか。


ルーカスは決断を迫られる。


第4話 完

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