第47話「東の施設」
工場を離れた三人は、東へ向かって歩いていた。
ミリアが端末の地図を確認する。
「この先」
ジェイクが新しい武器を肩に担ぐ。
「どれくらい?」
「歩いて一時間くらい」
「結構あるな」
ルーカスが前を見る。
「途中でロボットが来る可能性もある」
ジェイクが武器を握り直す。
「今度は俺も戦える」
ミリアも腰の電磁装置を確認する。
「私も」
ルーカスは二人を見る。
「無理だけはするな」
「ああ」
三人はそのまま進んだ。
しばらくすると、街の様子が変わってきた。
人の姿が少ない。
道路には放置された車が何台も止まっている。
ミリアが立ち止まった。
「……通信が強くなってる」
ルーカスが振り返る。
「この近くか?」
「まだ距離はある。でも、確実に近づいてる」
ジェイクが周囲を見渡す。
「だったら、この辺に中継装置があるんじゃないか?」
ミリアが端末を確認する。
「可能性は高い」
その時。
遠くから機械音が聞こえた。
ガシャ……。
三人が足を止める。
道路の先。
一体のロボットがゆっくり歩いてくる。
ジェイクが武器を構えた。
「一体だけだ」
ルーカスが前へ出ようとする。
しかし、ジェイクが止める。
「待って」
「?」
「俺にやらせてくれ」
ジェイクが一歩前へ出る。
ロボットが腕を振り上げる。
ジェイクは横へかわした。
ガンッ!
武器を振り下ろす。
しかし、ロボットの装甲に弾かれる。
「くっ……!」
ロボットが反撃する。
ジェイクは後ろへ飛ぶ。
「こいつ、思ったより硬い!」
ルーカスが動こうとする。
「ジェイク!」
「まだだ!」
ジェイクはもう一度踏み込む。
今度は真正面からではなく、ロボットの横へ回り込む。
そして関節部分へ武器を叩き込む。
ガキン!
ロボットの脚が止まった。
「ここか!」
ジェイクが続けて攻撃する。
ガンッ!
脚が折れ、ロボットが膝をつく。
ルーカスが頷く。
「今だ!」
ジェイクが最後の一撃を叩き込む。
ロボットが地面へ倒れた。
「……やった」
ジェイクが息を切らす。
ミリアが近づく。
「ちゃんと戦えてた」
「本当か?」
「うん」
ルーカスも笑う。
「悪くない」
ジェイクが武器を見る。
「まだまだだけどな」
三人は再び歩き始めた。
しばらく進むと、ミリアの端末が反応した。
ピッ。
「止まって」
ルーカスとジェイクが振り返る。
「どうした?」
ミリアが道路脇を見る。
そこには古びた建物があった。
外壁はほとんど崩れている。
しかし、その地下から強い通信反応が出ている。
「ここ」
ジェイクが建物を見る。
「これが施設?」
「違う」
ミリアは首を横に振る。
「施設そのものじゃない。通信の中継装置が地下にある」
ルーカスが建物へ近づく。
入口には、古い金属製の扉があった。
扉には小さなマークが残っている。
ミリアがそれを見る。
「このマーク……」
「知ってるのか?」
「工場の記録にあった」
ルーカスが扉を見る。
「つまり、ここも工場と繋がってる」
ミリアが頷く。
「そう」
ジェイクが武器を構える。
「じゃあ、入って調べよう」
ルーカスが扉を開ける。
ギィィ……。
暗い階段が地下へ続いていた。
三人は階段を下りる。
数段進んだところで――
ミリアの端末に新しい表示が出た。
【中継装置:稼働中】
その下に、もう一つの表示。
【通信先:第2施設】
ミリアが画面を見つめる。
「……第2施設?」
ルーカスが振り返る。
「次の場所が分かったのか?」
「うん」
ミリアは画面を拡大する。
「この中継装置は、別の施設へ通信を送ってる」
ジェイクが聞く。
「その場所は?」
ミリアが地図を表示する。
そこには、現在地からさらに東へ伸びる一本の通信経路が表示されていた。
「まだ位置は特定できない」
ルーカスが階段の下を見る。
「なら、まずこの装置を調べよう」
三人は地下の暗闇へ進んでいった。
第47話 完




