第45話「発信元」
メイン通信サーバーの画面に、通信経路が次々と表示されていく。
ミリアは端末を操作しながら画面を睨んでいた。
「……まだ追える」
ジェイクが隣から覗き込む。
「どこに繋がってる?」
「複数の中継地点を通ってる。でも、元の信号を辿れば……」
画面に一本の経路が表示された。
工場。
中継地点。
そして、その先にある一つの地点。
ミリアの指が止まる。
「見つけた」
ルーカスが近づく。
「発信元?」
「正確には、最初の通信地点」
地図が表示される。
工場から離れた場所に、一つの施設が表示された。
ジェイクが眉をひそめる。
「ここ、何の施設だ?」
ミリアがデータを確認する。
「登録情報がない」
「ない?」
「地図には建物がある。でも、施設としての登録がほとんど残ってない」
ルーカスが画面を見る。
「誰かが隠してるのか?」
「その可能性はある」
その時。
サーバーの画面に警告が表示された。
【外部通信を検知】
ミリアが振り返る。
「まずい」
「またアクセスか?」
「違う。今度は逆」
ミリアが通信ログを開く。
「向こうから、このサーバーへ接続しようとしてる」
ジェイクが構える。
「俺たちが通信を追ったことに気づいたのか?」
「分からない。でも、接続速度が上がってる」
ルーカスがサーバーを見る。
「切れるか?」
「やってみる」
ミリアが操作する。
しかし――
【切断失敗】
「駄目……!」
サーバーから機械音が響く。
ウィーン……。
部屋の奥にある装置が次々と起動していく。
ジェイクが周囲を見る。
「何が始まった?」
ミリアが画面を確認する。
「工場の防衛システムが動き始めてる」
「またロボットか!」
「違う!」
ミリアが別の画面を開く。
「工場の外周ゲートが閉じ始めてる」
ルーカスが立ち上がる。
「俺たちを閉じ込めるつもりか」
ジェイクが扉を見る。
「じゃあ、早く出ないと!」
ミリアが通信データを保存する。
「待って。この情報だけは持っていく」
「急げ!」
三人はサーバー室を出る。
地下通路を走る。
その後ろから、複数の機械音が聞こえてくる。
ガシャ……。
ガシャ……。
ジェイクが振り返る。
「追ってきてる!」
ルーカスが足を止める。
「先に行け」
ジェイクが首を振る。
「また一人で戦うつもりか?」
「時間を稼ぐ」
「だったら俺も残る」
ジェイクが金属棒を握る。
ルーカスが一瞬だけジェイクを見る。
「……分かった」
二人が並ぶ。
ミリアは先へ走る。
「出口を探してくる!」
「頼む!」
暗闇の奥からロボットが現れる。
一体。
二体。
さらに後ろからもう一体。
ルーカスが拳を構える。
ジェイクも武器を構えた。
「行くぞ」
「おう!」
二人が同時に走り出す。
ルーカスが正面のロボットへ拳を叩き込む。
ドンッ!
ジェイクは横から別の機体の脚を狙う。
ガキン!
ロボットがバランスを崩す。
「今だ!」
ルーカスが追撃する。
ロボットが倒れる。
しかし、まだ奥から機械音が響く。
ジェイクが苦笑する。
「……まだいるな」
ルーカスも拳を構え直す。
「なら、全部止める」
その頃、先へ進んだミリアは一つの扉を見つけていた。
【地上出口】
ミリアが端末を操作する。
「……開かない」
その横には、武器保管庫らしき部屋があった。
扉には小さく、
【警備隊装備】
と表示されている。
ミリアはその扉を見つめた。
そして――
ゆっくりとロックへ手を伸ばした。
第45話 完




