第44話「防衛ロボット」
巨大な拳が振り下ろされる。
ドゴォン!
ルーカスとジェイクは左右へ飛んだ。
拳が床を叩き、コンクリートが大きく砕ける。
「うわっ!」
ジェイクが転がりながら立ち上がる。
「こいつ、パワーが違いすぎる!」
ルーカスは拳を構えた。
「ミリア!」
「今、サーバーへのアクセスを試してる!」
防衛ロボットが二人へ向き直る。
赤いセンサーがルーカスを捉えた。
ウィーン……。
腕が変形する。
ガシャン、ガシャン。
拳の部分が開き、内部から細長い金属刃が伸びた。
ジェイクが驚く。
「武器まで出てくるのかよ!」
ロボットが突進する。
ルーカスは正面から迎え撃った。
拳と刃がぶつかる。
ガキィン!
「くっ……!」
ルーカスの腕に衝撃が走る。
そのまま押し込まれる。
「ルーカス!」
ジェイクが横から金属棒を叩き込む。
ガンッ!
しかし、防衛ロボットの装甲には傷一つつかない。
「硬っ!」
ロボットの反対側の腕がジェイクへ向く。
ルーカスが叫ぶ。
「避けろ!」
ジェイクが飛び退く。
拳が床を叩いた。
ドゴン!
「危ねぇ!」
ルーカスは距離を取る。
「正面からじゃ無理だ」
ミリアがサーバーの横から叫ぶ。
「弱点がある!」
「どこだ!」
「背中!」
ミリアが端末を確認する。
「背部に冷却装置がある。そこが破損すれば動きが鈍るはず!」
ジェイクがロボットを見る。
「背中なんて狙えるか?」
ルーカスが答える。
「俺が隙を作る」
ジェイクが頷く。
「分かった!」
防衛ロボットが再び突進する。
ルーカスは逃げずに向かっていく。
「こっちだ!」
ロボットの拳をかわす。
続けてもう一撃。
ルーカスは身を低くして避ける。
「今!」
ジェイクが走り込む。
ロボットの横を抜け、背後へ回る。
「これか!」
背中に取り付けられた装置へ金属棒を振り下ろす。
ガンッ!
装置がへこむ。
しかし――
防衛ロボットが急旋回した。
「うおっ!」
ジェイクが吹き飛ばされる。
「ジェイク!」
ルーカスが駆け寄る。
ジェイクは壁に背中を打ちつけながら立ち上がった。
「大丈夫……!」
防衛ロボットが二人へ向かって歩いてくる。
ミリアが叫ぶ。
「まだ! もう一度狙って!」
ルーカスがロボットを見る。
「ジェイク、いけるか?」
「もちろん!」
二人が左右に分かれる。
ロボットのセンサーがルーカスを追う。
ルーカスが走る。
「こっちだ!」
ロボットが追ってくる。
ルーカスはサーバーの間を駆け抜ける。
「今だ、ジェイク!」
ジェイクが反対側から飛び込む。
「うおおおっ!」
金属棒が冷却装置へ直撃する。
ガキィン!
装置が大きく破損した。
防衛ロボットの動きが止まる。
「効いた!」
ミリアが端末を見る。
「出力が落ちてる!」
ルーカスが拳を握る。
「もう一度だ!」
ロボットが再び動こうとする。
ルーカスが背後へ回る。
そして――
「これで終わりだ!」
拳を冷却装置へ叩き込む。
ドゴォン!
装置が完全に破壊された。
防衛ロボットの赤いセンサーが点滅する。
【冷却機能停止】
【出力低下】
ガクン……。
巨大な機体が片膝をついた。
ジェイクが息を吐く。
「……止まったか?」
ミリアが端末を確認する。
「停止状態になった」
ルーカスがサーバーを見る。
「よし。これで調べられる」
ミリアが中央端末へ向かう。
しかし、画面を見た瞬間、表情が変わった。
「……待って」
「どうした?」
ミリアが画面を指差す。
「サーバーの中に、通信記録が残ってる」
ジェイクが近づく。
「ロボットを動かした通信か?」
「そう」
ミリアが記録を開く。
そこには、複数の通信履歴が表示されていた。
その中で一つだけ、現在も接続状態になっているものがあった。
【外部通信:接続中】
ルーカスが画面を見る。
「まだ繋がってる……」
ミリアが操作する。
「発信元を追えるかもしれない」
画面に、通信経路が表示され始める。
第44話 完




