第41話「認証キー」
制御室の扉が大きくへこんだ。
ガンッ!
ジェイクが扉を見る。
「……あと何回もつ?」
「分からない」
ミリアは保管庫の前にしゃがみ込んだ。
中央端末には、管理権限移行までの残り時間が表示されている。
【08:42】
「急がないと」
ルーカスが保管庫を調べる。
「鍵穴はある」
ジェイクが周囲を見渡す。
「鍵なんてどこにあるんだ?」
ミリアが先ほど持っていた資料を取り出す。
「待って……」
資料をめくる。
「管理者用の認証キーは、制御室内のどこかに保管されてる」
「どこかって……」
「具体的な場所までは書かれてない」
ガンッ!
扉が再び揺れる。
ルーカスが周囲を見る。
「探すぞ」
三人は制御室の中を調べ始めた。
机。
棚。
端末の裏。
床下。
しかし、何も見つからない。
【07:31】
ジェイクが焦る。
「ないぞ!」
ミリアが中央端末を確認する。
「待って」
「どうした?」
「この部屋の設備一覧に、登録されてない場所がある」
ルーカスが振り返る。
「登録されてない?」
「壁の奥に、小さな収納スペースがあるみたい」
三人は壁を確認する。
ミリアが指を当てる。
「ここ」
ルーカスが壁を叩く。
コン。
他の場所とは音が違った。
「空洞だ」
ジェイクが壁際を探す。
「開ける方法は?」
ミリアが周辺を調べる。
「この端末……」
壁に取り付けられた小型の操作盤を見つける。
「これかもしれない」
ミリアが操作する。
ピッ。
何も起きない。
「認証が必要」
ジェイクがため息をつく。
「また認証かよ」
ミリアは考え込む。
「……さっきのカード」
ジェイクがカードを取り出す。
「これ?」
「そう」
カードを操作盤へかざす。
ピッ。
ガコン。
壁の一部が横へスライドした。
その奥に、小さな収納スペースが現れる。
中には一本の金属製のキーが置かれていた。
ミリアが手に取る。
「これが認証キー」
ルーカスが頷く。
「保管庫を開けよう」
三人が保管庫へ戻る。
ルーカスがキーを差し込む。
カチッ。
ロックが解除された。
扉を開ける。
中には複数の記録媒体と、もう一つの端末が置かれていた。
ミリアが端末を確認する。
「これを中央制御端末に接続すれば、管理権限を取り戻せる」
ジェイクが扉を見る。
「なら早く!」
ガンッ!
扉が大きく歪む。
ルーカスがミリアを見る。
「俺たちが時間を稼ぐ」
「分かった!」
ミリアが端末を持って中央制御装置へ向かう。
ルーカスとジェイクが扉の前に立つ。
ガンッ!
三度目の衝撃。
扉の一部が破れる。
赤い光が見えた。
ジェイクが構える。
「来るぞ!」
扉が吹き飛ぶ。
ロボットが制御室へ入り込んだ。
ルーカスが拳を振り抜く。
ドンッ!
ロボットが壁へ叩きつけられる。
しかし、後ろからさらに一体が入ってくる。
「まだいる!」
ジェイクが金属棒を振る。
ガキン!
ロボットの腕を弾く。
その隙にルーカスが蹴り飛ばす。
「ミリア!」
「もう少し!」
中央端末に認証キーが接続される。
画面が切り替わった。
【管理権限を確認】
【認証中……】
ミリアが息を呑む。
「お願い……」
その瞬間。
【管理権限を取得しました】
ミリアが顔を上げる。
「取った!」
ルーカスがロボットを押し返しながら叫ぶ。
「じゃあ、全部止められるのか?」
ミリアは画面を確認する。
しかし、表情が変わった。
「……違う」
「何?」
「管理権限は戻った」
ミリアは別の表示を開く。
「でも、遠隔制御システムそのものはまだ動いてる」
ジェイクが叫ぶ。
「じゃあ、何を止めればいいんだよ!」
ミリアは画面に表示された一つの項目を見つめた。
【メイン通信サーバー】
「これを止める必要がある」
第41話 完




