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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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第36話「増殖する赤い光」

ミリアの端末に表示された地図。


赤い点がいくつも灯っている。


ジェイクが画面を覗き込む。


「……これ、全部?」


「確認できているだけでも七体」


ルーカスが倒れた大型ロボットを見る。


「同じタイプなのか?」


「完全に同じじゃない。でも、構造はよく似てる」


ジェイクが周囲を見る。


「じゃあ、こいつ一体だけじゃなかったってことか」


「そう」


ミリアが地図を拡大する。


「しかも、さっきまで停止していた機体が一斉に動き始めてる」


ルーカスの表情が変わる。


「通信を妨害したのに?」


「この大型機には、別の制御システムがあるのかもしれない」


その時。


遠くから轟音が響いた。


ドォン!


三人が振り返る。


さらに別の場所から――


ドォン!


ジェイクが息を呑む。


「始まったな」


ミリアが端末を確認する。


「北側で一体が移動開始。西側でも一体。さらに南側……」


赤い点が次々と動き始める。


ルーカスが拳を握る。


「このままじゃ街中が危ない」


「警察や自衛隊に連絡できないか?」


ジェイクが聞く。


ミリアが端末を操作する。


「通信網が不安定で、通常の回線が使えない」


「じゃあ、地下の設備を使うしかない?」


「そう」


ルーカスは工場を見る。


「戻るぞ」


ジェイクが頷く。


三人は工場へ向かって走り出した。


その途中。


倒れている大型ロボットの横を通り過ぎる。


ルーカスがふと足を止めた。


「待って」


「どうした?」


ルーカスはロボットの胸部を見る。


先ほど破壊した動力制御装置。


その内部から、小さな機械音が聞こえる。


カチッ。


ミリアがしゃがみ込む。


「まだ何か動いてる」


「壊れてないのか?」


「違う」


ミリアが装置を確認する。


「これは通信装置」


ジェイクが驚く。


「じゃあ、こいつは停止してるのに通信してるのか?」


「そうみたい」


ルーカスが眉をひそめる。


「どこへ?」


ミリアが端末を接続する。


画面に一つの通信先が表示された。


しかし、その情報はすぐに消える。


「消された」


「誰かが?」


「分からない」


ミリアが装置を取り外す。


「でも、これを持って帰れば調べられる」


ルーカスが頷く。


「持っていこう」


ジェイクが装置を受け取る。


「重っ……!」


「落とすなよ」


「分かってる!」


三人は再び走り出した。


工場へ戻る道。


その途中で、遠くの建物が大きく揺れた。


ガシャァン!


窓ガラスが砕ける。


ジェイクが振り返る。


「またロボットか!」


ミリアが端末を確認する。


「違う……」


「何?」


「大型機じゃない」


ミリアの画面に、新しい反応が表示された。


小型。


中型。


大型。


様々な機体が、街のあちこちで動き始めている。


「全部……動き始めてる」


ルーカスは立ち止まる。


「どうして今なんだ?」


ミリアが答える。


「分からない」


その瞬間。


三人の頭上を、何かが高速で通過した。


ヒュンッ!


ジェイクが空を見上げる。


「今の何だ?」


ミリアが端末を確認する。


「飛行型……?」


空の彼方へ飛んでいく影。


ロボットだった。


ルーカスが空を見上げる。


「地上だけじゃないのか……」


三人は再び工場へ向かう。


だが――。


工場の方角から、複数の赤い光が見え始めていた。


ジェイクが足を止める。


「……あれ」


工場の周囲。


これまで停止していたロボットたちが、一斉に動き始めていた。


ミリアが端末を見る。


「工場内部の機体も起動してる」


ルーカスは拳を握る。


「急ぐぞ」


三人は工場へ向かって走り出した。


その背後で、倒れていた大型ロボットの胸部から――


小さな赤いランプが、再び点灯した。


第36話 完

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