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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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35/74

第35話「大型戦闘型」

巨大なロボットが道路を駆けてくる。


ドンッ!


地面が揺れる。


ジェイクが金属棒を握り直した。


「……デカすぎるだろ」


ミリアは端末を確認する。


「大型戦闘型。装甲もかなり厚い」


ルーカスは拳を構えた。


「ミリア、避難区域まであとどれくらい?」


「200メートルくらい」


「ジェイク」


「ああ」


「ミリアを連れて先に行って」


ジェイクがルーカスを見る。


「お前は?」


「こいつを止める」


「一人で?」


「時間がない」


巨大ロボットが腕を振り上げる。


「来る!」


ガンッ!


ルーカスが横へ飛ぶ。


大型ブレードが地面を叩き、アスファルトが砕け散った。


「ルーカス!」


「行け!」


ジェイクはミリアの腕を掴む。


「走るぞ!」


二人が避難区域へ向かって走り出す。


ルーカスは巨大ロボットと向き合った。


ロボットが再び腕を振る。


今度は横薙ぎ。


ルーカスは身を低くしてかわす。


ブレードが頭上を通過する。


「速い……!」


大型機とは思えない速度だった。


ルーカスが拳を握る。


一気に踏み込む。


「うおおっ!」


拳が装甲に叩き込まれる。


ドンッ!


しかし――


ロボットは微動だにしない。


「硬すぎる……!」


巨大ロボットの腕が動く。


ルーカスは咄嗟に後ろへ跳ぶ。


直後、地面が砕けた。


「まともに殴り合ったら負けるな」


ルーカスは周囲を見る。


大型ロボットの動き。


足。


腕。


装甲。


弱点を探す。


すると、胸部の装甲の隙間から小さな発光部が見えた。


「……あれか」


ルーカスが狙いを定める。


その瞬間、端末からミリアの声が聞こえた。


『ルーカス!』


「ミリア?」


『そのロボット、胸部に動力制御装置がある!』


ルーカスが巨大ロボットを見る。


「そこを壊せば?」


『停止させられる可能性がある!』


「分かった!」


ロボットが突進してくる。


ルーカスは逃げない。


ギリギリまで引きつける。


そして――


跳んだ。


巨大な腕が足元を通り過ぎる。


ルーカスはロボットの肩を踏み台にして、さらに高く跳び上がった。


「ここだ!」


拳を握る。


全身の力を右腕へ集中させる。


「食らえ!」


拳が胸部へ叩き込まれる。


ドゴォン!


装甲がへこむ。


しかし、まだ止まらない。


「くそっ……!」


ロボットが腕を振り上げる。


ルーカスは空中で体勢を崩した。


このままでは避けられない。


その瞬間――


「ルーカス!」


ジェイクが戻ってきた。


金属棒を投げる。


棒がロボットの腕に当たり、一瞬だけ動きが止まった。


ルーカスは地面へ着地する。


「ジェイク! 避難区域は?」


「ミリアに任せてきた!」


「なんで戻ってきた!」


「友達を置いて逃げられるかよ!」


ルーカスが一瞬だけ笑う。


「……助かった」


二人は巨大ロボットを見る。


ジェイクが構える。


「で、どうする?」


ルーカスは胸部のへこんだ装甲を見る。


「もう一度、同じ場所を狙う」


ジェイクが頷く。


「了解!」


巨大ロボットが再び動き出す。


二人は左右に分かれた。


ロボットの視線がジェイクへ向く。


「今だ!」


ルーカスが走る。


巨大ロボットがジェイクへ腕を振る。


ジェイクがギリギリでかわす。


その瞬間、ルーカスが懐へ飛び込んだ。


「終わりだ!」


拳が、先ほどへこんだ胸部へ叩き込まれる。


ドンッ!


装甲が大きく砕けた。


内部の発光部が露出する。


ロボットの動きが止まった。


赤い目が点滅する。


そして――


全身から力が抜けるように、その場へ倒れ込んだ。


ドォン……。


ルーカスは息を切らしながら立ち上がる。


ジェイクが倒れたロボットを見る。


「……止まったな」


「ああ」


ミリアが二人のもとへ走ってくる。


「二人とも!」


ルーカスが振り返る。


「避難区域は?」


「大丈夫。今のところ被害はない」


三人は倒れた大型ロボットを見る。


しかし、その直後。


ミリアの端末から警告音が鳴った。


ピッ、ピッ、ピッ。


ミリアの顔が強張る。


「……まだ終わってない」


ジェイクが聞く。


「何が?」


ミリアは画面を見せる。


そこには、街中の複数地点が赤く表示されていた。


「同じタイプの大型ロボットが……他にもいる」


第35話 完

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