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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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32/74

第32話「システム復旧」

地下の保守管理区画。


一体のロボットが端末の前に立っている。


画面には、


【システム復旧中】


という文字が表示されていた。


ジェイクが金属棒を構えたまま、ロボットを見る。


「……復旧って、何を?」


ミリアが端末を確認する。


「分からない。でも、このロボット自身が起動したわけじゃない」


「じゃあ、誰かが起動させた?」


「それも違うと思う」


ルーカスが尋ねる。


「どうして?」


「この部屋のシステムが、自動的に復旧処理を始めてる」


ミリアが画面を拡大する。


複数の機器が順番に起動していく。


カチッ。


ウィーン……。


部屋の奥で、古い機械が動き始めた。


ジェイクが周囲を見る。


「どんどん動いてるぞ」


「まだロボットは動いてない」


ミリアが答える。


「システムだけが復旧してる」


ルーカスは部屋を見回した。


壁際には、何台ものロボットが並んでいる。


どれも停止したままだ。


「こいつらも復旧したら?」


「分からない」


ミリアは端末を操作する。


「でも、復旧処理を止めることはできそう」


「止めよう」


「分かった」


ミリアが操作を始める。


しかし、画面に警告が表示された。


【復旧処理を停止できません】


「……駄目」


ジェイクが顔をしかめる。


「じゃあ、どうする?」


「このシステム、外部から操作されてる」


ルーカスが画面を見る。


「誰かが遠隔で動かしてる?」


「可能性はある」


その瞬間。


部屋の照明が一斉に点灯した。


パッ。


地下全体が明るくなる。


そして――


壁に設置された大型モニターが起動した。


ジェイクが身構える。


「何だ?」


画面には工場内部の映像が映し出された。


正面入口。


搬送ゲート。


製造区画。


そして、地上にいるロボットたち。


ルーカスが画面を見る。


「監視映像か」


ミリアが驚く。


「この地下から工場全体を監視できる」


映像が切り替わる。


今度は、街の映像だった。


暴走したロボットが道路を歩いている。


建物の前で停止している機体。


そして、ロボットから逃げる車。


ジェイクが拳を握る。


「……まだ街でも暴れてる」


ルーカスは画面を見つめる。


「この工場だけじゃない」


ミリアが頷く。


「工場から出荷されたロボットが、各地にいる」


すると、画面の隅に別の表示が現れた。


【通信状態】


その下に、複数の機体番号が並んでいる。


ミリアが目を見開く。


「これ……」


「何?」


「ロボットとの通信状況」


「通信?」


「ええ。工場から外にあるロボットへ、何らかの信号を送ってる」


ルーカスが画面を見る。


「今も?」


「今も」


ジェイクが眉をひそめる。


「じゃあ、この工場が暴走ロボットを動かしてるのか?」


ミリアは首を横に振る。


「まだそこまでは分からない」


「でも通信はしてるんだろ?」


「そう。でも、どんな命令なのかは分からない」


その時。


画面に表示されていた機体番号が一つずつ消えていく。


「……?」


ミリアが操作する。


「通信が切れてる」


「全部?」


「一部だけ」


ルーカスがモニターを見る。


通信が切れた機体の映像に切り替わる。


そこには、一体のロボットが立っていた。


そして――


そのロボットが、ゆっくりと頭を上げる。


赤い目が光る。


ジェイクが構える。


「こいつ……」


画面の中のロボットが、突然走り出した。


ミリアが息を呑む。


「どこへ行くの?」


映像が切り替わる。


ロボットが向かっている先には、人のいる避難場所があった。


ルーカスの表情が変わる。


「……まずい」


ジェイクが一歩前へ出る。


「どうする?」


ルーカスはモニターを見つめる。


「この地下から、何かできないか?」


ミリアはすぐに端末を操作し始めた。


「調べる!」


第32話 完

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