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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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第30話「開かない扉」

管理用の小さな建物。


ルーカスたちは、先ほど見つけた資料を確認していた。


ミリアが紙を机の上に並べる。


「やっぱり間違いない」


ジェイクが覗き込む。


「何が?」


「この工場のロボットには、暴走事件が起きる前に通信機能の変更が加えられてる」


ルーカスが腕を組む。


「研究施設で見つけた情報とも一致するな」


「ええ」


ミリアは資料を指差す。


「しかも、この変更を行った人物の名前が記録されていない」


ジェイクが眉をひそめる。


「誰がやったか分からないってことか」


「そう」


ルーカスは見取り図を見る。


「地下設備も気になる」


ミリアが頷く。


「保守管理区域から地下へ続く通路がある」


「行ってみよう」


三人は管理棟を出る。


工場の外周を進み、先ほど見つけた保守管理区域の扉まで戻る。


ルーカスが扉を確認する。


「鍵は?」


ジェイクが拾ってきたカードを見せる。


「これじゃ開かない」


ミリアが扉の鍵穴を確認する。


「これはカードじゃなくて、物理キーが必要みたい」


ジェイクが周囲を見る。


「じゃあ、鍵を探すしかないな」


ミリアが管理棟で見つけた資料を確認する。


「待って」


「どうした?」


「鍵の保管場所が書いてある」


三人が資料を見る。


そこには、工場の外にある設備倉庫の番号が記されていた。


「設備倉庫?」


「保守用の鍵や工具を保管していた場所みたい」


ルーカスが頷く。


「そこへ行こう」


三人は設備倉庫へ向かった。


倉庫は工場の裏側にあった。


扉を開けると、中には工具や古い部品が並んでいる。


ジェイクが棚を確認する。


「鍵が多すぎるな」


ミリアが資料を見る。


「保守管理区域の鍵は……これ」


一つの鍵を見つけた。


ルーカスが手に取る。


「これだな」


三人は保守管理区域へ戻る。


ルーカスが鍵を差し込む。


カチッ。


鍵が回った。


「開く」


扉を押す。


しかし――。


ガンッ。


扉は途中で止まった。


ジェイクが押す。


「……何か引っかかってる」


ルーカスも力を込める。


「せーの!」


二人で押す。


ギギギ……。


扉が少しずつ開いていく。


その隙間から、冷たい空気が流れてきた。


ミリアが端末を確認する。


「地下へ続く階段がある」


ルーカスが中を見る。


暗い階段が下へ伸びている。


「照明は?」


「電源が落ちてる」


ジェイクがライトを取り出す。


「これなら見える」


ライトを点ける。


階段の先は暗闇に包まれている。


ルーカスが一歩踏み出そうとする。


その時。


ミリアが腕を掴んだ。


「待って」


「何?」


ミリアが床を見る。


階段の入口付近に、何かが落ちていた。


小さな金属製の部品。


ミリアが拾い上げる。


「これ……」


ルーカスが見る。


「ロボットの部品か?」


「たぶん」


ジェイクが周囲を見る。


「ってことは、ここをロボットが通った?」


ミリアは部品を確認する。


「最近落ちたものかもしれない」


ルーカスは階段の下を見る。


「……いるかもしれないな」


三人は警戒しながら階段を見つめる。


その時。


地下から――


カン。


小さな金属音が響いた。


三人が固まる。


続いて。


カン……カン……


何かが階段を上ってくるような音。


ジェイクが構える。


「来るぞ」


ルーカスも拳を構える。


階段の暗闇の奥で、何かが動いた。


第30話 完

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