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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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29/69

第29話「保守管理区域」

工場の外周。


ルーカスたちは、先ほど見つけた扉の前に戻ってきた。


扉には、


【保守管理区域】


と書かれた古いプレートが取り付けられている。


ジェイクが扉を調べる。


「やっぱり鍵がかかってる」


ミリアが周囲を見る。


「電子ロックじゃない。かなり古いタイプね」


「鍵穴は?」


「ある」


ルーカスが扉の周辺を確認する。


「近くに管理室みたいな場所はないか?」


ミリアが端末を操作する。


「少し離れたところに小さな建物がある」


ジェイクが指を差す。


「あれか?」


工場の外周に、プレハブのような小さな建物が建っている。


三人はそちらへ向かった。


入口には鍵がかかっていた。


ジェイクが取っ手を引く。


「ここもか」


ミリアが扉を確認する。


「でも、こっちは普通の鍵じゃない」


「じゃあ?」


「カードキーみたい」


ルーカスが周囲を見る。


「さっきの車に何か残ってないか?」


三人は再び車へ戻る。


車内を調べていく。


助手席。


後部座席。


ダッシュボード。


そして、運転席の下。


ジェイクが手を伸ばす。


「……あった」


小さなカードが落ちていた。


ミリアが受け取る。


「これ、社員証じゃない」


「使えるか?」


「試してみる」


三人は管理用の建物へ戻る。


ミリアがカードを読み取り機にかざした。


ピッ。


ロックが解除される。


「開いた」


ジェイクが扉を開ける。


中は狭い。


古い机と棚。


壁には工場の簡単な見取り図が貼られている。


ミリアが地図を確認する。


「これ……」


「何?」


「保守管理区域の位置が書かれてる」


ルーカスが近づく。


「さっきの扉か?」


「ええ。でも、その先に地下設備へ続く通路がある」


ジェイクが驚く。


「地下?」


「そう」


ミリアはさらに地図を見る。


「ただ、この通路は普段使われていないみたい」


ルーカスが尋ねる。


「どうして分かる?」


「最後に点検された記録がかなり古い」


ジェイクが腕を組む。


「じゃあ、今は使われてない?」


「そう思う」


その時。


棚の奥から一枚の紙が落ちた。


ルーカスが拾う。


そこには、ロボットの整備記録が書かれていた。


ミリアが目を通す。


「……この工場で作られていたロボットの記録ね」


ジェイクが覗き込む。


「普通のロボットじゃないのもいるのか?」


ミリアが記録を読む。


「人間の介護用、医療用、災害救助用……」


「全部、人を助けるためのロボットだな」


ルーカスが呟く。


「そう」


ミリアは次のページをめくる。


そこには、通常の整備記録とは違う項目があった。


【通信機能変更】


【遠隔制御システム接続】


【安全制御設定変更】


三人の表情が変わる。


ジェイクが言う。


「……これって」


「ロボットの制御システムを変更した記録」


ミリアが答える。


ルーカスは紙を見つめる。


「誰が変更した?」


しかし、担当者の欄は空白だった。


ミリアがさらに下を見る。


「日付は……暴走事件が起きる少し前」


ジェイクが黙り込む。


工場で作られたロボット。


変更された通信機能。


そして、その後に起きた暴走。


少しずつ繋がってきている。


ルーカスは立ち上がる。


「これを持っていこう」


ミリアが頷く。


「分かった」


ジェイクが見取り図を見る。


「じゃあ、あの保守管理区域から地下へ行けるんだな」


「たぶん」


「なら、そこを調べよう」


ルーカスは扉の外を見る。


工場の中から、また機械音が聞こえてきた。


ウィーン……。


第29話 完

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