第28話「工場の裏側」
工場の外周。
ルーカスたちは、通用口から離れて裏側へ進んでいた。
「さっきの通用口……」
ジェイクが振り返る。
「勝手に開いたのが気になるな」
「俺もだ」
ルーカスは工場を見る。
「誰かが開けたのか、それともシステムが勝手に動いたのか」
ミリアが端末を確認する。
「今のところ、どちらとも判断できない」
三人はさらに進む。
すると、工場の壁際に小さな設備が並んでいるのが見えてきた。
「これ、何だ?」
ジェイクが近づく。
ミリアが確認する。
「電源設備みたい」
「工場全体に電力を送ってるのか?」
「そう。でも……」
ミリアが設備の一部を見る。
「一つだけ、別系統になってる」
ルーカスが近づく。
「別系統?」
「工場の通常設備とは違う電力が流れてる」
ジェイクが眉をひそめる。
「何に使ってるんだ?」
「分からない」
ミリアが端末を接続する。
しばらく調べる。
「この先に、別の設備があるみたい」
ルーカスが工場を見る。
「地下?」
「その可能性が高い」
ジェイクが周囲を見る。
「入口は?」
ミリアが端末の地図を表示する。
「この設備の近くに、地下へ続くメンテナンス用の入口がある」
三人は地面を探す。
少し離れた場所に、金属製の蓋があった。
ルーカスがしゃがみ込む。
「これか?」
ミリアが確認する。
「そう」
ジェイクが蓋を持ち上げようとする。
「よし……」
しかし――。
カチッ。
蓋の横にある小さなランプが点灯した。
「!」
ミリアがすぐに止める。
「触らないで!」
ジェイクが手を離す。
「何だ?」
「警報装置がついてる」
ルーカスが蓋を見る。
「開けたら警報が鳴る?」
「たぶん」
ジェイクが苦笑する。
「危なかったな」
ミリアは周囲を確認する。
「でも、ここは重要な場所だと思う」
ルーカスが頷く。
「研究施設の資料にも、工場の地下設備について書かれてた」
ジェイクが振り返る。
「じゃあ、やっぱり地下にも何かあるのか」
「ええ」
ミリアは端末を閉じる。
「ただ、今は開けない方がいい」
「理由は?」
「警報が鳴れば、工場内のロボットが動く可能性がある」
ルーカスは蓋を見つめる。
「……分かった」
その時。
工場の奥から、大きな音が響いた。
ドンッ!
三人が振り返る。
続けて――
ドンッ!
ドンッ!
何度も衝撃音が響く。
ジェイクが構える。
「何だよ……」
ミリアが端末を確認する。
「ロボットが移動してる」
「こっちに?」
「違う」
ミリアが画面を拡大する。
「工場の別区画へ向かってる」
ルーカスが工場を見る。
「何か起きてるな」
さらに大きな音。
ガシャァン!
工場の壁の向こうで、何かが倒れたような音がした。
三人は顔を見合わせる。
「……行ってみる?」
ジェイクが聞く。
ルーカスは少し考える。
「まだだ」
「また?」
「俺たちはまだ、この工場のことを知らなすぎる」
ルーカスは周囲を見る。
「まず、外から分かることを全部調べる」
ミリアが頷く。
「その方がいい」
三人は再び歩き始める。
すると、工場の壁に小さな扉があるのを見つけた。
ミリアが近づく。
「これは……」
扉の横には、古いプレートが取り付けられている。
そこには――
【保守管理区域】
と書かれていた。
ジェイクが扉を見る。
「ここも入口か?」
ミリアが端末を確認する。
「鍵はかかってる。でも、電子ロックじゃない」
ルーカスが扉の前に立つ。
「なら、普通の鍵か」
ジェイクが周囲を見る。
「鍵を探す?」
ルーカスは頷いた。
「探そう」
三人は工場の外周をさらに調べ始めた。
まだ工場の中へ入ることはない。
しかし、少しずつ――
工場の構造が見えてきていた。
第28話 完




