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メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第2章「第1施設編」
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24/62

第24話「残された車」

工場の裏手。


ルーカスたちは、放置された一台の車を調べていた。


運転席のドアは開いたまま。


車内には誰もいない。


ジェイクが周囲を確認する。


「誰もいないな」


「ええ」


ミリアは車内を調べる。


「でも、完全に放置されたわけじゃなさそう」


「どうして?」


ミリアは助手席に置かれていた資料を手に取る。


「これ」


ルーカスが覗き込む。


「搬送記録?」


「そう」


資料には、第七自動化工場から運び出されたロボットの記録が並んでいる。


ミリアがページをめくる。


「かなりの数がここから出荷されてる」


ジェイクが記録を見る。


「工場で作ったロボットを、各地へ運んでたってことか」


「そのみたい」


ルーカスが一枚の記録を指差す。


「これ、他と違わないか?」


そこには、通常とは違う記載があった。


【特別管理】


【機体情報:非公開】


【搬送先:記録制限】


ジェイクが眉をひそめる。


「なんだこれ」


ミリアも詳しく調べる。


「通常のロボットとは別に管理されていたみたい」


「暴走ロボットと関係してるのか?」


「まだ分からない」


ミリアは資料を見つめる。


「でも、調べる価値はある」


ルーカスは車内をさらに確認する。


すると、ダッシュボードの下から小さな端末が落ちているのを見つけた。


「これも関係あるかもしれない」


ミリアが受け取る。


電源を入れる。


画面には、工場の搬送ルートが表示された。


「……まだデータが残ってる」


「何が分かる?」


「少し待って」


ミリアが操作する。


画面上に複数のルートが表示される。


そのうち一つだけ、赤く表示されていた。


「このルート……」


「どこへ続いてる?」


「工場の裏側にある搬送ゲート」


ジェイクが工場を見る。


「じゃあ、あそこからロボットを運び出してたのか」


「そうみたい」


ルーカスは工場の裏側を見る。


そこには大きな搬送ゲートがある。


だが、今は閉じている。


「正面から入るより、そっちを調べた方がいいかもしれない」


ジェイクが頷く。


「ロボットが大量にいる正面を避けられるしな」


三人は搬送ゲートへ向かう。


近づいてみると、地面にはいくつものタイヤ跡が残っていた。


ミリアがしゃがみ込む。


「新しい跡もある」


「最近まで使われてる?」


「ええ」


ルーカスがゲートを見る。


「じゃあ、工場は今も動いてる」


その時。


工場の中から、微かな機械音が聞こえた。


ウィーン……。


三人が顔を上げる。


音はすぐに止まった。


ジェイクが小声で言う。


「中で何か動いたな」


「たぶん」


ミリアは端末を確認する。


「電力の消費量も少し上がった」


ルーカスは拳を握る。


「誰かが工場を動かしてるのか、それとも……」


「自動で動いてる可能性もある」


ミリアが答える。


ルーカスはすぐには答えなかった。


工場の中には、暴走ロボットがいる。


そして、今も何らかの設備が動いている。


けれど、今の段階で中へ入るのは危険すぎる。


「もう少し外から調べよう」


ジェイクが頷く。


「分かった」


三人は搬送ゲートから離れる。


その背後。


工場の壁に取り付けられた監視カメラが、ゆっくりと動いた。


三人の姿を捉える。


赤いランプが点灯した。


ルーカスたちは、それに気づいていなかった。


第24話 完

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