表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第1章「崩壊する日常編」
PR
18/34

第18話「残された端末」

武装集団が撤退した後。


地下研究施設には、戦闘の跡が残っていた。


床には倒れた椅子や壊れた機器。


ルーカスは入口を見つめている。


「……逃げられたな」


ジェイクが肩を回す。


「仕方ないだろ。あの人数を追いかけるのは危険すぎる」


「分かってる」


ミリアは床に落ちていた小型端末を拾い上げた。


「でも、これを残していった」


「何か分かりそうか?」


「調べてみる」


ミリアは研究室の端末に接続する。


画面に大量のデータが表示された。


「パスワードがかかってる」


ジェイクが覗き込む。


「壊せば?」


「そんな簡単に言わないで」


「悪い」


ミリアはしばらく操作を続ける。


すると、一つの画面が開いた。


「入れた」


ルーカスとジェイクが近づく。


そこには複数の通信記録が並んでいた。


【通信記録】


【接続先:不明】


【通信対象:機械端末】


【送信状態:完了】


ルーカスが眉をひそめる。


「機械端末……?」


ミリアがさらに記録を開く。


「この通信、普通の無線通信とは違う」


「どう違うんだ?」


「人間が使う通信機器を対象にしてない」


ルーカスは昨日からの出来事を思い出す。


突然暴れ始めたロボット。


人間には聞こえないような何か。


そして、暴走したロボットたち。


「……ロボットに向けて送ってる?」


ミリアはすぐには答えなかった。


「可能性はある」


ジェイクが端末を見る。


「じゃあ、誰かがロボットに命令を送ってるってことか?」


「まだ分からない」


ミリアが通信記録を確認する。


「でも、この端末から何かを送っていたことは確か」


その時。


端末が突然点滅した。


ピッ。


【受信】


三人が固まる。


「今、何か来た」


ミリアが画面を見る。


「待って……」


画面に一行の文字が表示される。


【通信経路を確認】


そして、その直後。


【接続を終了】


画面が暗くなった。


「……切られた?」


ジェイクが周囲を見る。


「誰かに見られてたのか?」


ミリアは端末を調べる。


「分からない」


ルーカスは拳を握る。


敵が自分たちの存在を把握している。


それだけは確かだった。


「このままじゃ、また襲われる」


ジェイクが頷く。


「だったら強くならないとな」


ルーカスはブレイカーを見る。


「うん」


ミリアが研究施設の奥にある訓練装置を起動する。


「ここにブレイカー用の訓練設備がある」


壁の一部が開く。


その奥には、広い訓練スペースがあった。


床には複数のセンサー。


壁には機械式のターゲット。


ルーカスが中へ入る。


「これを使えば、ブレイカーを使いこなせる?」


「少なくとも、今よりは」


ジェイクが笑う。


「じゃあ、やってみようぜ」


ルーカスは頷く。


「まずは普通に動いてみる」


ブレイカーを起動する。


カチッ。


青い光が腕を包む。


【訓練モード】


【開始】


目の前のターゲットが動き始める。


ルーカスが構える。


ターゲットが突然、横へ移動した。


「速い!」


ルーカスが拳を振る。


空振り。


次のターゲットが背後から迫る。


「うわっ!」


ルーカスは慌てて振り返る。


間に合わない。


ターゲットが肩へ接触する。


ピッ。


【失敗】


ジェイクが笑う。


「おいおい。さっきロボット相手にあれだけ動けたのに」


「うるさい!」


「でも、実戦より難しくないか?」


「……確かに」


ミリアがデータを確認する。


「ブレイカーが動きを補助する前に、ルーカス自身が反応しないといけないみたい」


「つまり、俺自身の反応速度を上げろってことか」


「そう」


ルーカスはもう一度構える。


「じゃあ、何度でもやる」


訓練が始まった。


一回。


失敗。


二回。


失敗。


三回。


また失敗。


それでもルーカスは立ち上がる。


「もう一回」


ジェイクが笑う。


「その調子だ」


ミリアも静かにデータを記録していく。


一方。


研究施設から遠く離れた場所。


暗い部屋の中で、一台の端末が点灯した。


【ブレイカー適合者:活動継続】


画面には、ルーカスたちがいる施設の位置が表示されている。


だが、そこにいる人物の姿は見えない。


「まだ力を使いこなせてはいないか」


低い声だけが響く。


画面が消える。


そして再び、暗闇に戻った。


第18話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ