表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メタル・アポカリプス  作者: 石蒜
第1章「崩壊する日常編」
PR
17/32

第17話「人間の敵」

地下研究施設。


武装した男たちが一斉にルーカスたちへ向かってくる。


ルーカスはブレイカーを構えた。


「来い!」


先頭の男が距離を詰める。


ルーカスが拳を振り抜く。


しかし、男は横へ飛んでかわした。


「速い!」


そのまま男がルーカスの腕を掴む。


「うっ!」


ルーカスは引き倒されそうになる。


だが、ジェイクが横から飛び込んだ。


「ルーカス!」


ドンッ!


ジェイクが男へ体当たりする。


男がよろめいた。


「今だ!」


ルーカスは腕を振りほどき、拳を叩き込む。


ドゴッ!


男は後ろへ吹き飛び、床を転がった。


「やった!」


しかし、別の男がジェイクへ迫っていた。


「ジェイク、後ろ!」


ジェイクが振り返る。


間に合わない。


その瞬間、ミリアが近くの机を蹴った。


ガタン!


机が男の足にぶつかる。


「うわっ!」


男の動きが止まった。


ジェイクはすぐに距離を取る。


「助かった!」


「油断しないで!」


ミリアが叫ぶ。


敵はロボットとは違う。


単純に突っ込んでくるわけではない。


互いに距離を取り、仲間と連携しながら攻撃してくる。


ルーカスは拳を構え直す。


「こいつら……戦い慣れてる」


「当然だ」


先ほど吹き飛ばされた男が立ち上がる。


「お前たちとは違う」


男は再び構えた。


「俺たちは、最初から戦うために訓練されている」


ルーカスは歯を食いしばる。


「だったら……!」


男が突っ込んでくる。


ルーカスも前へ出る。


拳を振る。


男はかわす。


さらに一発。


それもかわされる。


「くそっ!」


ロボットならブレイカーの解析で動きを読める。


だが、人間は違う。


相手の動きが予測しにくい。


ブレイカーにも表示が出ない。


【動作解析中】


【データ不足】


「まだ解析できないのか!」


男がルーカスの懐へ入り込む。


ドンッ!


腹に拳が入った。


「ぐっ!」


ルーカスが後ろへ下がる。


「ルーカス!」


ジェイクが駆け寄る。


だが、別の男がジェイクの前に立ちはだかった。


「お前の相手は俺だ」


「……上等だ!」


ジェイクが拳を握る。


二人が向かい合う。


ジェイクは一歩踏み込む。


男も同時に動く。


拳がぶつかる。


ドン!


ジェイクの顔が歪む。


「ぐっ……!」


それでも下がらない。


「ルーカスには……負けられねぇんだよ!」


もう一度拳を振る。


今度は男の頬を捉えた。


「ぐっ!」


男がよろめく。


ジェイクは追撃する。


「これでどうだ!」


ドン!


男が倒れる。


ジェイクは息を切らしながら拳を下ろした。


「……やった」


その一方。


ルーカスはまだ敵と向かい合っていた。


男が素早く距離を詰める。


ルーカスは拳を構える。


今度は力任せに振らない。


相手の動きを見る。


右足が前。


肩が少し下がっている。


「……来る」


男が拳を繰り出した。


ルーカスは紙一重でかわす。


そして腹部へ拳を叩き込む。


ドゴッ!


男が後ろへ下がった。


「なに……!」


ルーカスはさらに踏み込む。


ドン!


胸部。


ドン!


肩。


最後に足を払う。


男が床へ倒れた。


「はぁ……はぁ……」


ブレイカーが反応する。


【戦闘データ更新】


【人間の戦闘動作を記録】


ルーカスは画面を見る。


「少しずつ……読めるようになってきた」


その時。


部屋の奥から、先ほどの男が声を上げた。


「全員、撤退するぞ!」


「え?」


武装集団が一斉に距離を取る。


ルーカスたちが警戒する。


「逃げるのか?」


ジェイクが言う。


先頭の男は地下施設の出口へ向かう。


そして振り返った。


「今日はデータだけで十分だ」


ルーカスの表情が変わる。


「データ?」


「お前がブレイカーを使うところを確認できた」


男はルーカスを見る。


「アレン・レインの息子……」


ルーカスが息を呑む。


「父さんを知ってるのか!」


男は答えない。


「お前が何者なのか……これで確信した」


男たちは撤退していく。


ルーカスは追おうとする。


「待て!」


しかしジェイクが腕を掴んだ。


「やめろ!」


「でも!」


「今追ったら、こっちが危ない!」


ルーカスは足を止める。


武装集団の姿が消えていく。


研究室に静寂が戻った。


ミリアが倒れた男たちの残した装備を調べる。


「……この人たち、普通の傭兵じゃない」


「何か分かった?」


「所属を示すものが何もない」


ミリアは一つの小型端末を拾う。


「でも、この端末だけ妙なの」


「何が?」


「さっきのロボットと同じ通信規格が使われてる」


ルーカスの表情が変わる。


「じゃあ、あいつらは……」


「ロボットと関係している可能性がある」


ジェイクが倒れた椅子を起こす。


「人間までロボット側についてるってことか?」


ミリアは端末を見つめる。


「まだ断定はできない」


ルーカスは拳を握る。


「でも、俺たちの敵がロボットだけじゃないことは分かった」


そして彼は、男が最後に残した言葉を思い出す。


アレン・レインの息子。


父親を知る人間たち。


その存在は、ルーカスたちの前に新たな謎を残していった。


第17話 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ