第13話「連携を断て」
ルーカスは目の前のロボットを睨んだ。
首元で青白い光が点滅している。
あれが、二体を繋いでいる通信装置。
「そこを壊せば……!」
ロボットが拳を振り抜く。
ルーカスは横へ飛んだ。
ドゴォン!!
拳が床を砕く。
「速い……!」
ブレイカーが反応する。
【敵動作を解析】
【次の攻撃予測】
ルーカスは表示された情報を頼りに、一歩下がった。
ロボットの拳が目の前を通り過ぎる。
「今だ!」
ルーカスは懐へ飛び込む。
しかし、ロボットの左腕が迫った。
ガキン!!
ブレイカーで受け止める。
「ぐっ……!」
腕が痺れる。
それでも離さない。
「ここだ!」
右拳を首元へ叩き込む。
ドゴォン!!
通信装置が大きくへこむ。
しかし壊れない。
「まだか!」
ロボットがルーカスを振り払う。
「うわっ!」
床を転がる。
その間にも、ジェイクがもう一体のロボットを引きつけていた。
「こっちだ! こっちを見ろ!」
ジェイクは逃げながらロボットを誘導する。
「ジェイク、無理するな!」
「お前が決めるまで俺が引きつける!」
ルーカスは立ち上がる。
その言葉を聞いて、拳を握り直した。
「……分かった!」
再びロボットへ向かう。
今度は正面からではない。
右へ走る。
ロボットが追ってくる。
左へ切り返す。
ロボットの動きが遅れる。
「そこだ!」
ルーカスはジャンプした。
ロボットの肩を踏み台にして、そのまま首元へ拳を振り下ろす。
「うおおおっ!」
ドガァァン!!
通信装置が砕け散った。
ロボットの動きが止まる。
『通信……異常……』
『連携……解除……』
その瞬間、遠くにいたもう一体の動きも止まった。
「効いた!」
ミリアが叫ぶ。
二体の間にあった赤い通信表示が消えていく。
『連携システム……停止』
「今なら一体ずつだ!」
ジェイクが鉄パイプを握り直す。
ルーカスも構える。
だが、ブレイカーの表示が赤く点滅した。
【警告】
【装着者の身体負荷が限界に接近】
ルーカスは息を切らす。
「まだ……いける」
ミリアが心配そうに見る。
「無理しないで!」
「大丈夫」
ルーカスはロボットを見る。
最初は怖くて逃げることしかできなかった。
今も怖い。
けれど、少しだけ違う。
自分だけで戦っているわけではない。
ジェイクがいる。
ミリアがいる。
「終わらせよう」
三人が同時に動いた。
ジェイクが一体を引きつける。
ミリアがロボットの足元へ工具を投げる。
そしてルーカスが正面から突っ込む。
「これで……!」
拳がロボットの胸部へ叩き込まれる。
ドゴォォン!!
装甲が大きくへこむ。
ロボットが後ろへよろめく。
「まだだ!」
もう一度。
ドゴン!!
さらにもう一度。
ドガン!!
最後の一撃が頭部へ入る。
バキィン!!
赤いセンサーが消えた。
『……機能……停止』
ロボットが倒れる。
ドスン。
静寂が戻った。
ジェイクが息を切らしながら笑う。
「……やったな」
ルーカスは自分の拳を見る。
ブレイカーから微かに煙が上がっている。
「俺たち……勝ったのか」
ミリアが頷く。
「うん」
しかし、三人が安心したその時。
研究室のモニターが突然点灯した。
【戦闘記録を保存】
【ブレイカー稼働データを取得】
ルーカスの表情が変わる。
「誰が……データを取ってる?」
モニターには、さらに一行が表示された。
【遠隔観測を確認】
三人は顔を見合わせた。
この戦いを、誰かが見ていた。
そしてその存在は、ルーカスがブレイカーを使ったことを知っている。
第13話 完




