第12話「連携する機械」
地下研究施設。
倒された二体のロボットが床に転がっている。
残るのは二体。
しかし、その二体の様子が明らかに変わっていた。
『戦闘パターン変更』
『連携モード起動』
ルーカスは拳を構える。
「連携モード……?」
ミリアが警戒する。
「気をつけて。さっきまでとは動きが違う」
二体のロボットが左右に分かれた。
一体がルーカスの正面。
もう一体が背後。
「挟むつもりか!」
ジェイクが叫ぶ。
ルーカスは前のロボットを警戒しながら、背後にも意識を向ける。
その瞬間。
前方のロボットが突っ込んできた。
「来る!」
ルーカスは拳を構える。
ガキィン!!
ロボットの拳を受け止める。
しかし、力が強い。
「ぐっ……!」
足が少しずつ後ろへ下がっていく。
その時だった。
背後からもう一体が迫る。
「ルーカス!」
ジェイクが叫ぶ。
ルーカスは横へ飛ぶ。
直後、二体の拳がぶつかった。
ドゴォン!!
「危なかった……!」
ルーカスは床を転がりながら立ち上がる。
ブレイカーの表示が光る。
【敵AIの連携パターンを解析】
【戦闘データ収集中】
「まだ解析中か……!」
ルーカスは息を整える。
今までの敵なら、一体ずつ相手にすればよかった。
だが、この二体は違う。
片方が攻撃すれば、もう片方が隙を狙ってくる。
二人で一人を追い詰める戦い方だ。
「ジェイク!」
「分かってる!」
ジェイクが周囲を見回す。
「ミリア、何か使えるものはないか?」
「探してる!」
ミリアは研究室の設備を調べる。
「この施設、戦闘用じゃないから武器なんてないわ!」
「だったら、武器じゃなくてもいい!」
ジェイクは床に転がっていた金属製の部品を拾った。
そしてロボットへ投げつける。
ガンッ!
ロボットの頭部に当たる。
『攻撃を確認』
一体がジェイクへ向きを変えた。
「よし!」
ジェイクは走る。
「こっちだ!」
ロボットがジェイクを追う。
その隙に、ルーカスはもう一体へ向かって走り出した。
「今なら!」
拳を振り抜く。
ドゴォン!!
ロボットの胸部に命中する。
だが、ほとんど効いていない。
「くそっ!」
ロボットの腕がルーカスへ迫る。
ルーカスはしゃがんでかわす。
その瞬間、ブレイカーが反応した。
【連携パターン解析完了】
【敵AIは相互通信によって行動を同期】
【通信経路を遮断すれば連携能力が低下する可能性あり】
「通信……」
ルーカスはロボットの首元を見る。
そこには小さな発光部品がある。
「ミリア!」
「何?」
「あの首の部分!」
ミリアが見る。
「通信装置ね!」
「そこを壊せば、二体の連携を止められるかもしれない!」
ジェイクも理解した。
「じゃあ、俺が一体を引きつける!」
「ルーカス、もう一体を頼む!」
「分かった!」
ジェイクが走り出す。
ロボットがジェイクを追う。
ルーカスは残った一体と向き合う。
怖い。
足も震えている。
それでも、もう最初のように逃げるだけではない。
ルーカスは拳を握る。
「今度こそ……!」
ロボットが突進する。
ルーカスも前へ出る。
二つの拳が激突した。
ドゴォォン!!
研究室全体に衝撃音が響き渡った。
そしてルーカスは、ロボットの首元へ狙いを定める。
「そこだ!」
第12話 完




