第11話「共闘」
『対象を排除します。』
残る暴走ロボットは三体。
その赤いセンサーは、ルーカスだけを捉えていた。
【脅威対象を更新】
【最優先排除対象:ブレイカー装着者】
「狙いは俺か……!」
ルーカスは拳を構える。
「ルーカス!」
ミリアが叫ぶ。
「真正面から戦っちゃダメ!」
「ブレイカーが装甲を解析できても、一人じゃ囲まれる!」
ルーカスは頷く。
「分かった!」
その瞬間。
三体が同時に動いた。
前方から一体。
左右から一体ずつ。
完全な挟み撃ち。
「ルーカス!!」
ジェイクは近くの金属棚を思い切り押した。
ガガガガッ!!
重い棚が横倒しになり、左側のロボットの進路を塞ぐ。
ドゴォン!!
ロボットは棚に激突し、一瞬だけ動きが止まる。
「今だ!」
ルーカスは前方のロボットへ突っ込む。
「はぁぁぁっ!!」
拳を放つ。
しかし──
ロボットは腕で受け止めた。
ガキィィン!!
「止められた!」
次の瞬間。
横からもう一体の蹴りが飛んでくる。
ドゴッ!!
「ぐあっ!」
ルーカスは吹き飛ばされ、研究台へ激突した。
「ルーカス!」
ミリアが駆け寄ろうとする。
しかし一体のロボットが行く手を塞いだ。
『排除します。』
ロボットが腕を振り上げる。
「くそっ!」
ジェイクは鉄パイプで殴りかかる。
ガンッ!!
もちろん装甲には傷一つ付かない。
だが。
ロボットの視線がジェイクへ向く。
『攻撃者を変更。』
「それでいい!」
ジェイクは叫ぶ。
「ルーカス!今だ!」
ルーカスは立ち上がる。
ブレイカーの表示が光る。
【敵の隙を確認】
【推奨攻撃:肩関節】
「そこだ!」
ルーカスはロボットの背後へ回り込む。
全身の力を拳へ込める。
ドゴォォン!!
拳が肩関節を正確に打ち抜く。
バキッ!!
右腕が吹き飛んだ。
『損傷……確認。』
『戦闘継続……』
「まだ動くのか!」
腕を失ってもロボットは止まらない。
逆に頭部の赤い光はさらに強く輝く。
その時。
ミリアが研究室の机の上に置かれていた消火器を見つける。
「ジェイク!」
「しゃがんで!」
ジェイクは反射的にしゃがむ。
プシューーー!!
消火剤がロボットのセンサーへ噴射される。
『視界……異常。』
『ターゲット……ロスト。』
ロボットが混乱した。
「ルーカス!」
「今!」
ルーカスは全力で駆け出す。
そして跳び上がった。
「うおおおおぉぉ!!」
渾身の一撃。
ドガァァァン!!
拳がロボットの首関節を貫く。
バキィィィン!!
頭部が宙を舞い、床へ転がる。
赤い光が消えた。
『……機能……停止。』
二体目撃破。
「やった!」
ジェイクが叫ぶ。
しかし喜ぶ暇はない。
残るは二体。
しかも。
その二体は並んで立ち、今までとは違う動きを始める。
『戦闘パターン変更。』
『連携モード起動。』
「連携……?」
ミリアの表情が変わる。
「まずい……!」
「一体ずつじゃない!」
二体のロボットが息を合わせるように、ゆっくりとルーカスたちへ歩き始めた。
第11話 完




