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Gun Freak Sisters -didn’t change us-  作者: idiotdog
Watching the Line They Crossed
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What She Chose Not to Ask

 「なっちゃん、本当にチリ好きだよねぇ。三日に一回は食べたいって言ってない?」


 「おうよ。こいつこそテキサンのパワーの源だぜ?プルドポークやブリスケットも良いが、チリとコーンブレッドこそテキサスの飯だ。」


 そう言いながら、棗は豆と肉のたっぷり入ったチリをスプーンで掬い口に運んだ。


 「で……でも、テキサス・チリは、お豆入れるのはギルティじゃなかった?」


 マコは棗の食事を作る事に全力を注いでいる。

 もともと料理は得意だが、棗の好むアメリカ南部の食事は棗と知り合ってから調べ上げ学んだものだ。

 ガンボもルイジアナのソウルフードだが動画サイトでルイジアナ州でもっとも人気の店の調理動画を見て学び日本ナイズドせずに現地の味を再現している。


 「あん?そりゃ1860年代のお上品な街の綺麗なチリ・クィーンズやダイナー文化だ。アタシがリスペクトしてるのは西部開拓時代のチャック・ワゴンやトレイル文化だぜ?砂埃をあげ何百マイルも移動するカウボーイたちを支えたのは、チリとピント・ビーンズだ。できりゃぁキドニー・ビーンズじゃなくピント・ビーンズの方が良いが日本じゃマイナーだから割高だからなぁ。」


 「ふーん。棗って変なこだわりあるのね。今に始まったことじゃないけど。」


 ほぼ三食アメリカンな食事にそろそろ飽き始めていた汐路がそう呟く。


 「でもさ、日本人の私としたらたまにはあっさりしたものが食べたいなぁって思うよ。私はお客様の身分だから文句は言えないけど。」


 「あん?んーなこと気にしてんのか?一応線引きはしてるが身内だぜ?それに汐路も十分な資金を稼いでる自由に好きなもん買って食えばいいじゃねぇか。」


 「え?フリマで稼いだお金使って良いの?」


 「そりゃ使って良いに決まってんだろ?もちろん全部好き勝手していいとはいわねぇ、商品の一部はアタシらが戦いそれで得たもんだ。だがなこの世界で得たごみ見てぇなもんを加工して販売したのは汐路だ。ある程度は好き勝手に使って良いに決まってんだろ?」


 「そ、そうなんだ。じゃぁ後で欲しい物あるから棗の通販で手に入れてよ。」


 「そりゃ構わねぇがアタシがブックマークしてる一般的なサイトなんざ百均とナイルと満天くらいだぜ?専門系はねぇぞ?」


 「ちゃんと満天やナイルでもあるから。私も別にスーパーブランドみたいなのは興味ないし。」



 和やかな食事が終わり棗は汐路と共に通販サイトを眺めていた。


 「あん?布とか糸? 裁縫でもすんのか?」


 「うん、立派な物は作れないけどね。趣味がコスプレだったからせっかくの異世界なら憧れのゲームキャラのコスでもしようかなーって。それに棗達の配信でも棗やマコちゃん、華音ちゃんがゲームやアニメキャラのコスプレしたらウケるんじゃない?」


 棗はそんな汐路の言葉に顔を顰めた。


 「おいおい、そりゃマコならやるだろうがアタシはそう言うのは好きじゃぁねぇ。そもそもアタシらのチャンネルはガン&シューティングだ。そういう女っていう外見を使うような性の消費はしねぇよ。ま、マコがコスプレして出たいって言うならそれはマコの趣味だし止めねぇ、もちろん汐路おまえが痴女みたいなアニメキャラのコスプレで出たいってんなら止めねぇぜ?したいってのとさせるってのは別モンだからな。」


 「あれ?そう言えばマコちゃんは?」


 「ん? 便所でもいってんじゃぁねぇのか?チャック・ワゴン時代ピント・ビーンズなんか屁こき豆とかホイッスルって呼ばれてたくらいだしな。 おっと、んーなこといってたらクソしたくなったわ。トイレ行ってくるぜ。」



 トイレから出た棗はガンルームからの物音に気が付き中を覗き込んだ。

 そこにはマコが棗のM1Aを分解しクリーニングをしている姿があった。


 棗は下品で馬鹿な事ばかり口にするが、決して頭は悪くない。

 今、マコがライフルをクリーニングしている事、昼間姿を見かけなかったこと、戻ってきた時に服の前面・・・そう伏せ撃ちしたときに汚れる部分に土汚れがついていたことが一つに繋がる。おそらくは銃に手を伸ばしかけていたあの女を始末したのだろう。


 棗にとって殺すまでもない人物だったが、マコにとっては許せない物だったのだろう。そう棗は思案しクリーニングに集中するマコへと近づき煙草を咥えオイルライターで火をつけた。


 オイルライターの澄んだ金属音に振り向いたマコは、普段の棗を見たときの満面の笑みではなく、絶望感すら感じさせる表情だった。


 「マコ、レバーアクションも良いがM1Aもいいもんだろ?」


 そう告げるとマコの表情は柔らかな物に変わっていく。


 「う、うん。」


 「早くクリーニングを終わらせちまいな。汐路がアニメコスをしたいとか言い出してたぞ。アタシや華音じゃ会話についていけねぇ。」


 そういうと灰皿で煙草を押し消すとガンルームを後にした。

 



 豆入りはギルティ。これはテキサスの食文化においてコーンブレッド甘い派、甘くない派のような論争にすらならない絶対の法です。

そしてテキサスの友人に私は棗と同じことを言った結果、「お前は本当に日本人か?」と呆れられました。


 そして、物語終盤に向けての棗の明確なやらかしがここで起きてます。

 ま、棗って序盤からミスばかりしてますけどね。

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