Calculated Risk
仕事が少々忙しいのと、テキサスの友人からレア物が手に入ったとの連絡を受けGWにテキサスに行くために更新が途切れていました。
ダラス付近と言っても車で1時間ほどの田舎でBBQとシューティングを楽しむ予定です。
最近何やらBBQの話題がホットらしいですが私はテキサス流のBBQ派ですね。
メスキートのチップで燻したグリスミートを食べたいです。
年に1,2回テキサスの友人のところに行く私ですがコロナ禍以降行けてなかったので久しぶりです。
友人がわざわざ連絡をしてまで撃ちに来ないか?と言った銃はデ・ライル カービン(De Lisle Carbine)のレプリカの中古です。
良く知らない方は中古?レプリカ?と思うかもしれませんがレプリカですら入手困難なレア物です。
中古ですら4000ドルから5000ドルはします。
嘗てそのレプリカを製造していたSpecial Interest Armsも valkyrie Armsも長らく休業状態実質廃業しているからです。
昔どこかでデ・ライルをデ・リズールと記載していた物を見かけたことがありますが、アメリカでも運用していたイギリスでもそんな呼び方をしません。
この作品では出せない銃ですけどね 棗の能力の通販 おそらくGUN BROKERやCMPもブックマークしてるとは思いますが。
倒れ伏したトロールを前に棗は苦虫を嚙みつぶしたような顔をしていた。
大物と言える強敵を倒した後の勝利を噛み締める雰囲気ではなかった。
「ちっ、まさか洞窟の中にこんなんがうじゃうじゃいるってんじゃぁねぇだろうな? 」
仮に洞窟の中にトロールが群れを成していた場合、その再生力をいかした被弾を恐れない突撃をされ、たとえメインのライフルを持ってきたとしても押し切られる可能性があった。
それに他にもそういった場合、急所を狙う精密な射撃を諦め面制圧の射撃を行う可能性が出てくるが洞窟という閉ざされた空間で外れた弾の跳弾を恐れていた。
「トロールはそう群れるようなモンスターじゃない。居たとしてもツガイくらいだろう。こうやってオークやゴブリンを支配してはいるがな。」
「ってこたぁ、居てもあと一匹か二匹ってところか。だが、万が一ってこともある。オークとの初戦に加え今回もアタシは判断をミスっちまってるからな。まともに正面からこの洞窟に突入なんざしたかねぇ。」
「じゃぁどうするの?撤退する?」
華音の問いに棗は「いや。」と撤退はしないことを口にした。
「突入はしたかねぇし、洞窟内はこっちの攻撃を避けるスペースがねぇってメリットやサーマルやナイトビジョンのオプティックやライトがある分有利だが逆に跳弾の恐れってデメリットが有るからな『釣り』をしようとおもう。」
「釣り?それってスナイパーがひとり動けなくして助けを求めさせて救助しに来た人を撃つやつでしょ?」
「そうじゃぁねぇよ。洞窟を探索して接敵したら外におびき寄せ、そこで大口径の火力で制圧する。外へ釣り出すって意味だ。」
「じゃぁ、誰かが中に入らないといけないんだよね?」
「ああ。まずマコは論外だ。外まで走る脚力とスタミナ、運動性能が求められるからな。」
「ってことはわたしかなっちゃんかぁ。」
「ああ、それか……。ラスティだな。」
「ちょっと待って、なっちゃん。本気?」
華音が割って入るように一歩前に出た。
「ラスティはまだ子供だよ。そんな子を一人で、何がいるかわからない穴の中に放り込むなんて……。」
華音も棗と同じくまともだとは言い難い人物だった。
久瀬と言う権力者の家に産まれが故に人とは異なる価値観をもっている。
だが、それでもまだ子供だと言ってもいいラスティを突入させるのには難色を示した。
「リスクならアタシらが肩代わりしてやる義理はねぇよ、華音。忘れるな、アタシらはあくまで協力者だ。拠点の制圧は本来、グレッグたち傭兵の仕事だろうが。」
棗は冷徹に言い捨て、洞窟の闇を睨んだ。
「これまでだってそうだ。連中はアタシらの火力に甘えすぎてる。ここらで少しは自力でリスクを負わせねぇと、この先もずっとアタシらが先陣を切らされることになるぞ。」
「それはそうかもしれないけど……。だったら、なっちゃんも一緒に行ってあげればいいじゃない。」
「……耳の問題がある。アタシが中でぶっ放せば、イヤーマフのないラスティの三半規管は死ぬ。かといって、あいつの分まで電子イヤーマフを新調してやるつもりはねぇ。」
棗が短く息を吐く。
「……チッ。わかったよ。アタシが一人で行く。それが一番安上がりだ。」
「なっちゃん!?」
「マコ一人じゃ、外に釣り出した群れを捌ききれねぇだろ。お前はここでマコの援護に回れ。……アタシがしくじって中でくたばったら、セーフハウスにある弾が全てだ。通販はもうできねぇ。お前らに残せるのは、その数千発の鉄塊だけだ。……大事に使えよ」
棗の言葉は、遺言のようでいて、同時に二人を永遠に銃という呪いに縛り付ける宣告のようでもあった。
マコは、棗の瞳の奥にある冷徹な光を、まるで聖痕でも見るかのような陶酔の混じった眼差しで見つめ、小さく、だが力強く頷いた。
「なっちゃん…。私もついてくんじゃだめ?」
「駄目だ。外へ釣り出した時の即応戦力として華音は待ってろ。DDM4を出すついでに汐路のTRR8を持ってきてくれ。アレにはサーマルがついてるからな。」
単身で洞窟に入った棗は、左手にタクティカルライト、右手に持ったTRR8のサーマル付きオプティクスを覗き込みながら慎重に進んでいた。
足音を殺すため膝をわずかに折り、腰を落とし、つま先から外側へとゆっくり接地させる。ボブから叩き込まれた歩法だ。
集光されたLEDの光が、湿った岩肌を舐めるように照らしていく。
「ったく、アタシはソルジャーじゃねぇ、シューターだっつぅの。」
幼い頃、ボブの知り合いの退役軍人たちが悪ノリで仕込んだ“シューターではなくソルジャーとしての技能”。
サバイバルゲームで使い込み、磨き上げたそれは、持久力や筋力で本職に劣る棗が、反射速度と勘以外で兵士と張り合うための数少ない手札だった。
そう深くない洞窟の最奥――開けた空間に、二匹のトロールが浮かび上がる。
棗は即座にTRR8の銃口を向けた。
距離はおよそ40ヤード。メートル換算で約36メートル。
最も得意とする10〜30ヤードからはわずかに外れるが、それでも4メートル級の巨体を外す距離ではない。
たとえ左手でライトを握るワンハンドでもだ。
親指でハンマーをコックし一度、深く息を吐く。
棗にしては珍しく、ウィーバー・スタンスで引き金を引いた。
もっとも、この世界で銃を持つのは棗たちだけだ。
アイソセレスが主流である理由――正面からプレートで弾を受ける必要もない。
側面を晒すウィーバーでも問題はない。
.357マグナムの重い発砲音が洞窟内に炸裂し、反響する。
同時に、強烈なマズルフラッシュが視界を焼いた。
初弾は一匹のトロールの胸部に命中。
棗は焦ることなく、次弾のために親指でハンマーを起こす。
撃たれた個体はもちろん、もう一匹も反響した轟音に三半規管を揺さぶられ、頭を抱えるように膝をつく。
次弾はダブルアクションでの射撃、ハートショットを決めたところで強靭な肉体と再生能力の前では無意味なため自分を囮にするためのヘイト管理の射撃だった。
数発銃弾を放つと雄たけびを上げるトロールが棗にその巨躯から地響きのような足音を響かせ突進を始める。
「はっ。ついてきなデカブツ。」
そう言いながら身をひるがえし棗は洞窟の外に向かい駆けだしていく。
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