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第58話

よろしくです!

「お義兄ちゃん!!」


意識が回復したのはいいけれど、これはどういう状況だ?


今の状況を簡潔に説明すると、俺が地面に倒れていて、脳の焼き切れも治っている。

シルは、トレントの大群を牽制していて、ティアが泣きじゃくりながら俺の傷を治療している。


「脳の焼き切れを直してくれたのはティアか?ありがとな」


「の、脳?治療してないけど?」


え?……じゃあ、この回復は亜神の修復能力なのか?

あ、でも、それなら納得がいくな……脳の治療を体が勝手に優先したせいで体の修復に手が回らなかったのだろう。


俺が上半身を起こすと、ティアが背中を支えてくれる。


「ありがと、ちょっと待っててくれ。チョチョイと片付けてくる」


そう言いながら立ち上がり、シルをいつもの刀に戻ってもらう。


《シル、ありがとな》


《えへへ〜、どういたしまして》


さぁて、反撃と行こうか!


「神崎一刀流・抜刀術『八重桜』」


そう言って抜刀すると、こちらに接近して来ていたトレント8匹が胴体半ばからずれ落ちる。


《切れ味よくなったか?》


《さっき、封印が1つ解けたからだと思うよ》


《おお!それはいいことだ!これからもよろしく頼むぞ!》


《まっかせなさーい!》


残り8体……


「魔力障壁展開!」


赤く目を腫らしたティアが両手を前に掲げて障壁を展開する。


「サンキュ!」


「ぶっかましてやれ!」


ティアの声援に応えるようにして、抜刀状態の刀身を鞘に収める。


「神崎一刀流・抜刀術『八重桜』!」


俺が叫ぶと同時に、トレントの進撃を防いでいた魔力障壁が光の粒となって空中に消えると同時に、俺が持つシルの刀身が8回、太陽の光を反射して煌めく。

煌めくと同時に、先程同様にトレントは胴体半ばからずれ落ちる。


「やっと終わったよぉ〜」


ティアがそう言ってペタンッと音がつきそうな感じで地面に腰を下ろした。


俺は周囲に転がっているトレントの魔石を集めるようにシルに指示を出して、ティアの横に腰を下ろす。


「ごめんな」


「なんで謝るの?」


「いや、だって、こっちの森に誘ったのは俺だったし……」


コテンと首を傾げるティアを見つめながら答えを返すと、ティアは顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。


「み、みみみみつめないでくださいよ。恥ずかしいじゃないですか」


「くっ、ククク」


「何がおかしいんですか!?」


思わず笑ってしまうと、未だに顔が真っ赤なティアに詰め寄られた。


「い、いや、なんか、慌てると敬語になるところとか……かな?」


適当に答えると、そのことに自分で気づいたのか、慌てて口を抑える


「可愛いなぁ〜もうっ!」


「お、おおおお義兄ちゃんにはお姉様がいるでしょ!?それなのに、私を落としに来るとか……あ、でも、お妾さんということ?」


「何やら誤解してるみたいだから否定しておくよ。リルルにティアが第二夫人になるって言ったらどんな反応するかわからないからな」


「わ、私は愛人ということですか?お姉様に内緒で?」


「冗談に決まってるだろ?」


「そ、そうですか」


明らかに落胆の表情をだしているが、触れないでおこう……


「さて、魔石も集まったみたいだし帰るか」


シルが持って来た魔石の山を亜空間にしまい、シルを腕輪状にしてからティアに手を差し出すと、そっぽを向かれてしまった。


「自分で立てますっ………あれ?立てない」


「腰が抜けたんじゃないのか?おぶってやろうか?」


俺がニヤニヤ顔で問うとティアは顔を再び真っ赤にして、


「ま、まあ、ここにいるのも危険ですし……おぶられてもいいですけど」


「素直じゃないねぇ」


「う、うるさいですっ」


右手を両膝の裏に、左手を背中に回して、持ち上げる。

俗にいうお姫様抱っこというやつだ。


「な、なななななにやってるんですか!?」


「いや、お姫様抱っこと呼ばれるものだが?」


「わ、私はおぶられてもいいと言っただけなんですが!?」


「他は嫌と言ってない」


なんか、ティアをからかうのは楽しいからこのままで帰ろ。


ティアの口を頬にキスすることでせき止め、みんなが集まっているところに戻る。

みんなの目につく前に、亜空間から袋に入れた魔石を背中に背負う。


ちなみに、この時ティアは放心状態だった。


生徒達の中に入っていくと、舌打ちと、女子の悲鳴が所々で上がる。


気にしない気にしない。


俺の腕の中で放心状態から回復したティアが、今の状況を確認すると、器用に俺の腕の中から抜け出した。


俺を睨みつけるが、顔を真っ赤にしてぷるぷると震えながらなので、怖くない。

むしろ可愛い。


「お義兄ちゃんなんて知りませんっ!」


「ぷっ……」


「なんで笑うんですか!?」


「可愛いなぁ……と思って」


今度はまた違う赤色を耳まで塗りたくり、俺を見つめる。


「あ、義妹としてね?」


「か、かか勘違いなんかしてないよ!?わかった!?」


「へいへい」


適当に答えると、ティアはボソッと何か呟いたが、聞こえなかった。

むぅ……残念。弄るネタができそうだったのになぁ……


そんなこんなで、俺とティアは狩ったトレントの魔石全て売り渡し、臨時収入を手に入れた。


なんか買ってってやろうかな……


また、ティアと俺は次の日、序列が上がっていた。


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