森の中、クモさんに、出会った。
ゴブリンとの戦闘後、しばらく進むと、水の音が聴こえてきた。
森の中を走る川が流れていた。
木々の間から見える太陽が高い位置にきているので、此処で、休憩することにした。
川の近くに、休める場所を見つけそこに腰を下ろす。
俺は、両手を皿の様にして魔法を詠唱する。
「ご飯が食べたい」
すると、両手の中に海苔のついたおにぎりが1つ出てきた。
俺はそれを頬張り、口の中にひろがる塩味と梅の酸味を楽しんだ。
そのあと、蜂蜜で口直しをして少し翅を休める事にした。
体力もある程度、戻ったので川を飛び越え、先に進む。
変わらない景色の中、魔物に気をつけながら飛んでると、前方に、5メートル程のクモの巣を発見した。
そこには、繭状のものが2つあり、体長1メートルぐらいはあるだろう森蜘蛛が、その複眼でこちらを見ていた。
先に動いたのは、森蜘蛛だった。お尻の先端から粘着質な糸を飛ばしてきた。
俺は、近くにある木の後ろに避けた。
さっきまで居た場所には、ベチャって音がしそうな糸が地面に張り付いていた。
(あの糸に捕まったら、逃れられない。そしてあそこにある繭の仲間入りだ。)
そう考えた俺は、その場で光学迷彩を想像し、声を出さずに魔法を唱える。
(カメレオンカラー)
そして、森蜘蛛から大きく距離をとった。
森蜘蛛は、俺を探しているのか、複眼を動かしている。
充分距離がとれた俺は、魔法を想像する。考えたのは、対戦車ライフルだ。
想像が固まった俺は、まだ探している森蜘蛛に掌を向け、唱えた。
「ラキスト」
魔法を発動した瞬間、実際には衝撃はないが、ドカンッ!って音がしそうな勢いで飛んでいき、森蜘蛛を粉砕し、蜘蛛の巣を吹っ飛ばし(2つの繭も)、その後ろにある木々もなぎたおしていった。
それを見た俺は、上手く吹けない口笛で誤魔化した。




