入学式①
春。麗らかな春。
桜も咲き乱れているのに私の心は晴れません、お祖父様。
あぁ〜、メソメソしてても仕方無い!!!
お祖父様に約束したんですもん。
…と、とにかく戦に出掛ける前に食事を取らないと。
腹が減っては戦が出来ないもんね!
トントントン。
螺旋階段を降りてダイニングルームに着くと、食事の用意がされていた。
そこに、やや太めな体型をした中年の女性が目に入る。
ふと、こちらに気付くととても優しそうに微笑んでくれた。
「おはようございます。寮母の園生と言います。昨日は、挨拶出来なくてごめんなさい。」
「おはようございます。夏凪華です。こちらこそ、すみませんでした。宜しくお願いします。」
「ささ、挨拶はそれ位にして。入学式に遅れちゃうわよ。急いで急いで。」
ペコッと挨拶してから、ご飯を頂く。
学校にはまだイマイチ行く気が出ないけど、遅れるのは良くない。
早目に食べて行かなきゃね…。
「ご馳走様でした。」
早目にご飯を食べ終わり食器を片付け、支度の為に部屋に戻る。
真新しい制服に着替えた。
ーーー
「おぉ!女子だよ!!!女子がいるよ!!!!!」
「今日から、女子がいる生活!グッバイ男子校!!!」
「ぎゃははは!!!」
これから、入学式が始まる…始まるんだけど、想像していたより全然多いよ…男性が!!!
いや、ここは目を瞑って呪文を唱えよう。
目を見なければ大丈夫。目を見なければ大丈夫…。
いや、それよりも無心になった方が良いかもしれない。
ってか、騒がし過ぎて無心になれません!!!
とりあえず、俯いて髪の毛で顔を隠すべし。うん。そうしよう。
「ねーねー、華ちゃん大丈夫?顔色悪いよ?先生呼ぼうか?」
「大丈夫だよ。ありがとう。」
「そう?でも何かあったら教えて。心配だから!絶対だよ!!!」
「うん…」
薫さんが、私の様子に気付いたのか心配してくれた。凄くうれしいです。
涙が出そうな位。
大丈夫なんて言いながら、冷や汗かいてます。ヤバイです。。。
あぁ、神様無事にこの試練を乗り越えられますように。
「入学生の皆さん、本日はおめでとうございます。これから、入学式を始めたいと思います。入学生起立!」
やっと、入学式が始まった。
でも、全然始まったばかりだよね。
早く終わって〜!!!
じゃないと、瀕死の状態になるかも…。
そんな事を考えてる内に、校長の話しも終わった。
もう少し。
頑張れ、私!!!
「新入生代表、前へ!」
「はいっ。」
やたらと澄んだ声に思わず顔をあげて姿を見てしまう。
綺麗…。




