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異世界温泉宿経営♨️ 〜「戦闘スキルをください!とお願いした女神がくれたのは、まさかの“銭湯スキル”でした〜  作者: 回胴めぐり


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【リゼside】秋の味覚マシル茸


ある日の夕食後。


温泉旅館の灯りが一つ、また一つと消えていく。


宿泊客もそれぞれの部屋へ戻り、館内が静かな夜に包まれる中――。


「……」


リゼだけは、自分の家に戻ってからも厨房に立っていた。


机の上には、今日使った食材の残り。


そして、いくつもの紙。


そこには料理の名前と、簡単な材料、調理方法が書き込まれている。


「……秋」


リゼが小さく呟く。


季節は少しずつ夏から秋へと向かっている。


この世界にも四季はある。


だからこそ――。


「秋の料理……」


リゼは腕を組んで考え込んだ。


旅館の料理は、ただ美味しいだけではいけない。


季節を感じてもらう。


その季節だからこそ食べたいと思ってもらう。


それもまた、日本料理の魅力だと大地から教わっていた。


「……キノコ」


リゼの視線が、机の上に置かれた一つの食材へ向く。


マシル茸。


香りが非常に強く、秋になると採れる高級なキノコだ。


その香りは、日本にいた大地が話していた松茸にも似ているらしい。


「これなら……」


リゼの料理人としての感覚が刺激された。


まずは――。


「土瓶蒸し」


紙に書く。


マシル茸。


鳥肉。


魚介。


香りを邪魔しない程度の出汁。


そして、最後に香りを引き立てる薬味。


「……うん」


リゼは頷いた。


次に――。


「炊き込みご飯」


米にマシル茸を加える。


出汁を使い、醤油で味を整える。


炊き上がった瞬間に立ち上る香り。


「……これは、いける」


さらに。


「吸い物」


今度は余計な具材を入れず、マシル茸そのものの香りを活かす。


リゼは次々と紙へ書き込んでいく。


「土瓶蒸し……炊き込み……吸い物……」


それだけではない。


焼いてもいい。


天ぷらにしてもいい。


細かく刻んで、茶碗蒸しに入れるのも――。


「……」


リゼの目が輝いていた。


料理を考えている時だけは、普段の無表情が嘘のようだった。


「もっと……できる」


そんなリゼの後ろから――。


「すごい集中力だな」


「……!」


突然聞こえた声に、リゼが振り返る。


「ダイチ……?」


そこには大地が立っていた。


「まだ起きてたのか?」


「……うん」


リゼは机の上を見せる。


「秋の料理」


「おお……」


大地が紙を覗き込む。


「マシル茸か」


「大地が話していた松茸に似てる」


「確かに」


「土瓶蒸し……これ、作り方を教えて」


「もちろん」


大地は嬉しそうに笑った。


整頓されたキッチンで二人が並んで料理を始める。


すると、リゼは徐ろににマシル茸を手に取る。


「この形……ダイチのに似てる…」


「なにを言ってるんだい?リゼさん」


反り返ったマシル茸に顔に近づけてすんすんと香りを楽しんでいる。


「……いい香り…」


「香り松茸、味しめじってね。日本じゃキノコの香りの王様だ」


リゼは無表情で大地の前に屈み、大地の浴衣をゆっくり捲り上げる。


「……ダイチの方がいい匂いする」


「………作業終わりで、まだ風呂に入ってないから匂いはきついぞ」


リゼのフェティシズムは匂いであることを大地は知っている。それも大地の汗や雄の匂いに強い反応を示す。


リゼの顔が吐息が当たる距離に大地の下腹部に近づき、荒くなる吐息に刺激されることで成長してゆく。


「……ぁ…はぁ…ダイチの匂い強くて……こっちの方が…好き」


頭の中は背徳感と優越感が支配し、劣情を加速させる。吐息だけでなく、高く通った鼻や柔らかい唇の刺激が加わり、より硬く成長の速度は増してゆく。


「……ダイチ…食べていい?」


「………」


大地は無言で片手でリゼの浴衣をはだけさせると、勢いそのままに、大きな瑞々しい果実が弾ける。


「ーーーーーーーーッ!」


リゼの顔は紅潮し、物欲しそうな淫らな瞳で見上げてくる。


「……ねぇ…ダイチ……まだダメ?」


匂いに興奮したのか、屈んだまま閉じていた脚を大きく開くと、滴る蜜が脚をつたっている。


「もっと欲しがる可愛いリゼが見たいんだ」


むせかえる雄の匂いを嗅ぎながら、震える手は、恐る恐る自分の秘部へと快楽を求めて伸びてゆく。


「……んっ……ぁ…ダイチの匂い…」


花弁は熱く、甘い蜜を溢れさせ、床へと滴り落ちる。指先は徐々に速度をあげ、激しさを増してゆき、淫靡な水音が部屋中を支配する。


「……ぁ……ぁん…はぁ…んっ……」


大地は実った果実の先端を指先で摘み、強く抓ると、


「ーーーーーーーーーーッ!!」


リゼは体を大きく反らせて、体を痙攣させる。焦点の合わない瞳で体を震わせながら、快楽の余韻に浸っている。


ーーすると、


桃色の髪を両手で掴み、熱く、そして硬く屹立したものが強引に口元をこじ開け、喉奥まで一気に貫いた。


「んーーーーーッ!」


「……リゼ……今日は優しくできないよ」


「んっ…じゅ…んくっ…んっ…ぁは…」


隷属する堕ちた雌は頭を前後に振りながら、大蛇のように雄肉を丸呑みし、苛烈に打ちつけられる男の腰をその手に抱き、愉悦の表情を浮かべた。


◇


「俺たち料理しようとしてなかったっけ?」


「……そのはず」


乱れたベッドの上で二人は肩で息をしながら、冷静に呟く。


「…リゼがいけないんだぞ」


「私はキノコの調理方法を研究してただけ」


二人は無言になって顔を見合わせる。


「………」


「………ぷっ!」


大地の吹き出した笑いが静寂を切り裂く。それと同時にリゼが顔を赤らめながら優しく微笑む。


「…………」


大地はリゼの愛らしい笑顔を見て、鼓動が高鳴る。滅多に見られないリゼの笑顔は殆どは大地に向けられるものなのだろう。


「やっぱり笑ってるリゼが好きだな」


「笑えるようになれたのはダイチのおかげだから」


二人は惹きつけられる磁石のように、唇を重ねた。


「ダイチ」


「ん?」


「ありがとう」


「どうした?」


「ダイチと会ってから、料理……もっと楽しくなった」


リゼが小さく笑う。


「……旅館のお客さんにも食べてもらいたい」


「きっと喜ぶよ」


「……うん」


◇


翌朝。


厨房の机には、昨夜書き上げた料理の案が残されていた。


そこには――。


『マシル茸の土瓶蒸し』


『マシル茸の炊き込みご飯』


『マシル茸の吸い物』


そして、その下には。


新たにいくつもの料理名が書き加えられていた。


リゼの秋料理研究は――。


まだ始まったばかりだった。

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