【第93話】爛れた夜会
深夜。
セリーナに招かれた自室は、薄暗い灯りを燈し、香炉からは白檀のような甘ったるい香りが漂っている。
天蓋付きの豪奢なベッドからは儚い蝋燭の燈により、艶かしい人影が映し出される。
「……ダイチ様……こちらにいらしてください」
「……あぁ…」
大地は喉を鳴らしながら、一歩一歩、ゆっくりとベッドに向かう。
絹のような素材に刺繍をあしらった天蓋をかき分けていくと、ベッドの上には透け感のあるチュール素材のベビードールを着用し、自身の肢体を強調したセリーナが座っている。
薄暗い部屋の拙い燈から照らされる陶器のような透き通った肌は、幾度も男を惑わしてきたに違いない。白檀の香りが鼻腔を擽り、五感で官能的な雰囲気を演出させる。
「……さぁ…もっとこちらに…」
妖しく艶やかな花に吸い寄せられる蜜蜂のようにふらふらとセリーナへと近づいてゆく。
「……セリーナ…綺麗だ…」
「……愛している方の口から出た言葉はこんなにも子宮に響くのですね…」
ゆっくりと拡げた脚の最奥の花弁からは甘そうな蜜が滴っており、高級そうなシーツを濡らしている。
大地は花弁の蜜を集める蜜蜂のように秘部に顔を近づけてゆく。そして、脚を両手で押さえて舌先で花弁の周辺の蜜を舐め取る。
「ーーーーーーあぁん!……んっ…はぁん!」
普段良いように遊ばれている意趣返しなのか、花弁奥から溢れ出る神酒に酔っているのか、口元に手を当て、快楽に身を任せるセリーナを視界に、舌先を走らせる。
「……ん…ぁん…んっ…はぁ…ぁあっん…」
艶かしい嬌声が部屋に響き、身体を跳ねさせながら、腰を浮かせて悦びを表現している。
「……ダイチ様……そ、そんな…ワンちゃんみたいに…」
唇と舌で淫靡な水音を奏でながら、舌先は花弁の中央にある屹立した蕾を探し当てる。
「……あっ…そ…こは……だめ…で…す…」
唇で蕾を音を立てて吸い出し、舌先で包皮を捲り上げる。その先には一等に敏感そうな新芽が姿を現した。
「……あっ…やっ!……ぁん…」
セリーナの方に視線を送ると、恥ずかしそうに顔を赤く染め、潤んだ瞳で大地の舌先の行方から目を離さない。
ーーー期待している。
見つけ出した新芽を優しく愛でるように、唾液を掬いあげ、水をかけていくと、てらてらと淫猥に光り、肥大してゆく。
「ーーーーーーーーーーーーッ!!」
舌先が触れる度に、痙攣し、腰を浮かせて嬌声をあげる姿は、著名なマエストロが生涯を賭けて創造した楽器のようだ。
「……ぁ…ぁはっ…はぁ…んっ…はぁ…」
シーツを強く握り込み、快楽の果てに堕ちた淑女はびくんびくんと痙攣を繰り返しながら、快がり狂っている。
「……はぁ…はぁ…次は私の番ですわ…」
力なく潤んだ瞳は、妖しく光り、上唇を淫靡な舌で舐める。弛緩した身体に鞭を打ち、大地の衣服を剥ぎ取って、体勢を入れ替えるようにベッドに沈める。
「……セリーナ…なにを…っ!」
大地の下腹部から硬く屹立したものを右手で引っ張り出して、その上に跨る。
「……はぁ…はぁ…さぁ…ダイチ様…どんな声で鳴いてくれるんでしょうか?」
屹立したものを自身の潤った花弁に突き立て、ゆっくりと奥に沈めてゆく。掻き分けていく恥肉は溶けてしまうほどに熱い。
「ーーーーーーあぁんっ!!」
「ーーーーーーくっ!!」
みちみちと分け入り奥に到達した瞬間、肉感のある双臀をグラインドさせてゆく。大地の両手を掴み自身のたわわに実った双丘へと導く。
「……ぁっ…あっ…んっ…こちらも触っていただけますか?」
掌から溢れそうに暴れる果実を受け止めながら、動きは加速してゆく。果実の中央の桜色の先端を摘むと嬌声をあげ、花弁の奥はぎちぎちと締め付けを強める。
「……あぁんっ!……ダイチ様…逞しいですわ!」
杭打ちするように激しく上下に双臀を振りながら、セリーナの左手は跨る大地の腹部に、右手は自身の秘部にある蕾へと伸びる。
「……ぁん!…んぁ…んっ…もちそうにありません…っ!」
双臀を振り乱しながら、右手の指で蕾を抓ると、痙攣を繰り返しながら、花弁から飛沫をあげて、大地とシーツを濡らしてゆく。
「ーーーーーーーーーーーーーッ!!」
弛緩し、息切れするセリーナの身体を受け止める大地は、余裕なく顔を赤らめる彼女に優越感を覚えると同時に愛おしさが溢れてくる。
「……はぁ…はぁ…こ、今度こそ私が…」
敏感になった身体に鞭打ちながら、腰を動かし始めるも速度をあげることが出来ず、雄の助力を媚びているように見える。
肉感のある双臀を両手で掴み、下から思い切り貫くと、身体を一度反らせた後、力なく前に倒れ込むも、容赦なく腰を突き上げる。
「ーーーーーーーッ!あ……ぁは……」
胸元に実った果実が大地の腹部に押し潰されながら、何度も何度も貫いていると、セリーナは熱っぽい淫魔のような瞳を浮かべ、舌先で大地の胸元の桜色の先端を舐りながら、大地の動きに腰を合わせる。
「……んっ…ふっ…んちゅ…んっ…ぢゅっ」
「…ぁあ…セリーナ…やばぃ…」
セリーナの舌使いと腰使いが一層早くなり、肉と肉が打ち付けられる音が激しく鳴る。
「……んはぁ…ふふっ…ぢゅ…らひてくらはぃ」
ーーー出す。
ーーー全部出す。
ーーー一番奥に。
精が徐々に迫り上がってゆく感覚が強くなり、双臀を強く握りしめて、思い切り腰を打ち付ける。
「「ーーーーーーーーーーーッ!!」」
セリーナは自分の中で痙攣を繰り返しながら暴れ回るものを締め上げて制圧し、最後の一滴まで絞り取る。
「……はぁ…はぁ…ふふっ……あら…可愛らしいお顔ですこと…」
肩で息をしながら、精一杯強がる彼女を愛おしく想い、口づけを交わす。
「……さぁ…ダイチ様…まだ夜は長いですわ…」
「……お嬢様を分からせてあげましょうかね…」
◇
アルディア王国の一等地に建つ、アーベル商会代表の屋敷。
その一室で、二人はゆっくりと互いの想いを確かめ合った。
長い旅の疲れも、明日の会談への緊張も、今だけは忘れて。
ただ、大切な相手と過ごす時間を、静かに重ねていく。
そして翌日。
大地は、辺境伯との会談に臨むことになる。
自らが手に入れた土地が、正式な街として認められるかもしれない、大切な話し合い。
その一方で――。
セリーナとの関係もまた、新たな一歩を踏み出そうとしていた。




