表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花の物語  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/129

神託の花

黄色い丸い花を咲かせたたんぽぽが一面に咲いていた。

私はその中をゆっくりと歩いていく。

たんぽぽの花を踏まないように気をつけながら。


ふわふわと綿毛が飛んでいく。

その光景も楽しい。


鼻歌を歌いながら歩いていく。

童心に帰ったようで楽しい。


声をかけられて立ち止まり振り向く。

彼が手に持っているものを見て思わず微笑(わら)う。

たんぽぽの花冠。

ぽすんと頭に(かぶ)せられた。


「うん、似合う」


彼は満足そうに微笑(わら)う。


「ありがとう」


礼を言ってまた歩き出す。

ところどころで立ち止まって花を摘みながら。


気ままに歩いては止まるを繰り返す。

そんな私の後ろを彼は文句も言わずについてくる。


立ち止まってまた一本たんぽぽを摘んだ私の髪をそよりと風が揺らす。

目を閉じて風を感じてみた。

そよそよと頬を撫でていく風が気持ちいい。


しばらくそのまま風を感じていた。


満足してそっと目を開けると彼が神妙そうな顔で立ち止まって私を見ていた。

何かあったのだろうか?


首を傾げる。

それでも彼は神妙そうな顔のまま黙って私を見つめたままだ。


「どうしたの?」


声をかければはっと我に返ったようだ。


「本当にどうしたの?」


先程までは普通だったのに私が目を閉じている間に何があったのだろう?

彼は視線を逸らしてぼそぼそと答える。


「いや、神託を受ける巫女のようだったから」


なにそれ、と微笑(わら)ってしまう。

そんな神秘的なことは何もない。


「何も受け取ってはいないよ。風を感じていたの」

「そうか」

「うん」


彼はそれ以上は言及しなかった。

また歩き出す。

彼をお供にした散歩はまだ続く。


読んでいただき、ありがとうございました。


先に男性視点を思いついてしまったので、そちらを本日19時に短編でアップします。

よろしければそちらもお楽しみください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ