表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花の物語  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/130

秘密の愛の花

その家の庭にはミモザアカシアが植えられており黄色の花を咲かせていた。


その家に私は月に何度か顔を出す。

ここは姉夫婦の家だ。

ただ姉は五年程前に病気で亡くなっている。


仲のいい夫婦だった。

羨ましいくらい。


だから姉が亡くなって気落ちしているのではないか、後を追おうとするのではかいかと心配になって義兄の元を訪れるようになった。

二人の間には子供もいなかったから。


ちゃんと食べているか心配で、と食料の入ったエコバッグを見せれば義兄は苦笑して中に入れてくれる。

私は必ず姉の位牌に線香を上げてから料理に取りかかる。

それを向かい合わせに座って食べるまでがいつもの流れだ。


義兄は姉が亡くなってから無口になった。

ほとんど会話のない食卓でただ黙々と食事をする。


まるで長年連れ添った夫婦のようだ。


そんな思いが込み上げては苦い気持ちになる。

私は義兄のことが好きだった。

姉が生きている時から。


私は独り身だからこれは不倫ではない。

だからといって告げるつもりはない。


そんなことをしたら二度と会ってはくれないだろう。

義妹だからこそこうして食卓を共にしてくれているのだ。


それでいい。

それだけでいい。

それ以上は望まない。

会えなくなるより、ずっといい。


義兄は亡くなった姉を今でも深く愛している。

だからこの気持ちは絶対に知られてはならない。


秘密の愛だ。


読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ