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小さな花の物語  作者: 燈華


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さびしさの花

さびしさを感じたらきらきらを探す。


これは母に教えられたことだった。

一人で留守番をすることが多かった私が寂しさを紛らわせられるようにと考えてくれたのだろう。


家の中にも外にもきらきらは隠れている。

だからその時の気分で家の中を探したり、外に探しに行ったりした。

そして見つけたきらきらのことを母に話して聞かせたものだ。


それは大人になっても習慣になっていた。

さすがに母に話すことはなくなったけれど。


今日は外へと探しに来た。


きらきらという言葉は曖昧で、だからこそいつまでも探せるものだ。

夢中になって探せばいつの間にか寂しいという感情はどこかへ行ってしまう。

母もそれが狙いだったのだろう、と大人になった今では思う。


ぶらぶらと気の向いたほうに歩いて回った。

なかなかこれというものが見つからない。


ふと地面に視線を落とした時、綺麗な石を見つけた。

真っ白で、歪みのない綺麗な楕円形の石。


きちんと他人の家の敷地外であることを確認してから拾う。

こうやって手に取り、持ち帰ることもあれば、観察だけしてそのままにしておくこともある。


今日は持ち帰ることにした。

石を大切にポケットに入れて立ち上がった。


ふと道の反対側にある家の門のところに置かれた鉢に意識が引かれた。

道を渡って鉢を覗き込む。

鉢には星のような小さな花を集めたような青紫色のシラーが植えられていた。


懐かしい。


その花はシラーという名前だと教えてくれた男の子がいた。

同じように寂しさを抱えた男の子だった。

だからよく一緒にきらきらを探しに行った。

彼が引っ越してしまい、縁は切れてしまったけれど。


ーー今はもう寂しく思っていないといいな。


小さく願い、再び歩き出した。




読んでいただき、ありがとうございました。

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