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小さな花の物語  作者: 燈華


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逆境に立ち向かうの花

逆境に立ち向かうって言うけど、立ち向かう必要ってあるのかな?

ただ過ぎるまでじっとしていればいいんじゃない?


嵐はいずれ去る。

状況はうつろい変わっていくものだ。

それを待てばいい。


それでいいじゃない。

逆境に立ち向かうから得られるものもあるのだろう。

でも誰もがそんな強さを持っているわけではない。

弱い者はただ耐えるかーー潰れるか。





近くの浜辺を散歩する。

ふと視線を向けた先に緑と白を見つけて近寄ってみる。

葉を繁らせた植物が花を咲かせていた。

白いザ・花という感じの花だ。

スマホで検索してみると浜菊というらしい。


「お前たちは強いね」


こんな海からの風にも負けないで綺麗な花を咲かせている。

花は答えずただ風に揺れている。

その強さがほしくて写真を撮り、待ち受けに設定した。


ふふっと小さく微笑(わら)った。

久しぶりに微笑(わら)うことができた。


名を呼ばれて振り向く。

彼が息せききって駆け寄ってきた。


「どうしたの?」

「家にいないから心配になって」

「あ、ごめん。ちょっと散歩してただけ」


散歩だから書き置きなんてしなかった。


「そっか。少し、元気になった?」

「ええ。もう、大丈夫よ」


私の顔をじっと見た彼はほっとしたように微笑(わら)った。

それから手を差し出す。


「帰ろう」

「ええ」


彼の手をしっかりと握る。

そのままゆったりと歩き出した。




読んでいただき、ありがとうございました。

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