↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花の物語  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

297/312

清浄無垢の花

茉莉花を使ったお茶を飲む。

まあジャスミンティーなんだけどね。


彼が茉莉花茶と言っていたから気づけばそちらが先に思い浮かぶようになっていた。

ジャスミンティーがポピュラーなのに。

まあ別にいいけど。他の人相手に気をつければいいだけのことだ。


ふぅと息を吐く。

ゆるゆると心がほどけていくようだ。


彼がやってきた。


「茉莉花茶? 僕ももらっていい?」

「どうぞ」


来るかと思って彼の分も用意してあった。

冷めてしまうかも、と注いでいないだけだ。


「ありがとう」


彼がティーポットから自分でカップに注ぐ。

それから向かいの席に座った。


「何か空気がいいね。清浄無垢って感じ」


首を傾げた。


「ごめん。よくわからない」


んーと彼も首を傾げる。

それからあっという顔になった。


「君がいるからかな?」


ますます意味がわからない。

ますます首を傾げた。


「うん、きっとそうだ」


私の反応など気にせずに彼はうんうんと頷いている。

彼はそう、こういうちょっと変わったところがあるのだ。


そういうところが敬遠されたりしてしまうのだけど、私はまあ、惚れた弱みだ。

彼は周りから浮いていたとしてもあまり気にした様子はなかった。


「僕は君の傍にいる時が一番落ち着くよ」


不意に彼がそんなことを言った。


「え?」

「うーん、だからそんなふうに感じるのかもしれない」


それは、何だか嬉しい。

だけど照れくさい。


「うん? どうかした?」

「な、何でもない」


私は慌ててうつむいてじわじわと赤くなる顔を隠した。

だから彼がどんな顔をして私を見ていたのか、知る由(よし)もなかった。





読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。