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小さな花の物語  作者: 燈華


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情熱の花2

花のカタログを見て思わず呟く。


「カラーってこんなに色があるんだね。白だけだと思ってたよ」


カタログには白だけではなく黄色やオレンジ、紫や赤、それにピンク色のカラーが載っていた。

白だけだと思っていたからびっくりだ。


「まあ、白が一番ポプュラーだよね」

「だと思う」


再びカタログに視線を落とす。


「やっぱり白じゃないと駄目かな?」

「別にいいんじゃないかな。他の色のほうがむしろ白いドレスに映えるかもしれないよ」

「そう?」

「そう思うよ。それに、気に入ったのならそれにしたほうが後々後悔しないんじゃないかな」

「あー、それもそうか」


一生に一度のことだ。後悔したくはない。


「じゃあそうしようかな」

「うん」


彼は穏やかに微笑(わら)って頷いてくれる。

この人を選んでよかった、と不意に思った。


情熱的に想いを燃え上がらせた恋ではなかった。

穏やかに想いを深めていった恋だった。

だからこそお互いに死ぬまで心変わりはしないだろうという妙な確信があった。

だから、結婚に踏み切ったのだ。


結婚式はガーデンパーティーに決めた。

今はその時に持つブーケの花を選んでいるところだ。


私は彼を見上げた。


「ん? まだ何か悩んでる?」


軽く首を傾げて訊いてくれる彼に沸き上がった想いのままに告げる。


「好きだよ」

「ん? どうしたの?」

「何となく言いたくなって」


彼が微笑(わら)う。


「何それ。でも、僕も好きだよ」

「うん」


私も笑顔になった。

ああ、幸せだ。

私は彼とこれからも生きていく。



読んでいただき、ありがとうございました。

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