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小さな花の物語  作者: 燈華


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また会う日までの花

大学進学のために地元を離れる。

ずっと、それこそ生まれた時から一緒だった幼馴染みの彼とも初めて別々の道を行く。

生まれたのも数時間違いで同じ病院、家もお隣さんで高校まで一緒だったのだ。


彼ともとうとうお別れだ。

お別れの言葉を言わなくちゃ。


そう思い、机に向かった。

彼に手紙を書く。

顔を合わせて告げるのは、ちょっと照れ臭いから。


『突然の手紙に驚いたことでしょう。

何か面と向かってお別れの言葉を告げるのは照れ臭いし、寂しくなっちゃうから手紙を書きました。


何かこうやって改めて書くとどっちみち照れちゃうね。

初めて別々の道を行くから柄にもなく緊張しちゃって、やっぱり寂しく感じちゃう。

でも、もう決めたことだから。


今生の別れっていうわけじゃないからまた会えるんだけどね。

今までのように頻繁に会えないってだけだよね。

会った時にはたくさん話を聞かせてね。

同じくらいわたしの話も聞いてね。


また会う日まで。

さようなら。

お元気で』


インクが乾いてから畳んで封筒に入れた。

シールで簡易的に止める。

ポストに投函するわけではないからいいだろう。


ふと思いつく。

庭にネリネの花がある。

あの花とともに渡そう。

前にちょっと興味を持ったようだったし。


花言葉もちょうどいい。

ネリネの花言葉は『また会う日まで』。

別れの手紙だけど未来の再会を祈る花言葉が今のわたしにぴったりだ。


それにしてもなんか平安時代の手紙みたいだ。

だけどそれも悪くない。




読んでいただき、ありがとうございました。

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