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小さな花の物語  作者: 燈華


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もの思いの花2

吾亦紅(われもこう)の花を焼き物の花瓶に活(い)ける。

静寂な時間。


吾亦紅の花を前にもの思いにふける。

思い浮かぶのは母のことだ。


母は田舎で一人暮らしをしている。

父はもう何年も前に亡くなっている。

母は父が亡くなっても気丈に振る舞って元気にあちこちに出掛けたりしていた。

最近は少し寂しそうだ。


ふぅと息を吐く。

吾亦紅は母を想う植物だとも聞いた。

いやあれは歌だっただろうか?

まあ今一番気にかかっているのが母のことだから、どうしても考えてしまうのだ。


母も高齢になり、先行きが不安になったのか、しきりと地元に戻ってきてお見合いをしたらどうかと勧めてくる。

この歳になって今さらお見合いで結婚とは無理がある。

まだマッチングアプリや年齢層高め向けの結婚相談所のほうが可能性はあるだろう。

結婚する気があるのなら。

私にはそんな気はない。


しかも母の話によると、お見合い相手として勧めているのは妻を亡くした男やもめの後妻らしい。

そんな男はどうせ妻を無料の家政婦とでも思っているのだろう。


何が悲しくて今まで積み上げたキャリアを捨ててそんな男と結婚しなくてはならないのか。

冗談ではなかった。

私は好きな仕事を辞める気はなかった。

それも望んでもいない結婚で。


生涯独身を通すと決めているわけではなかった。

お互いに結婚をしたいと思える相手に出会ったならば結婚はするだろう。

でもそういう相手に巡り会えないなら別に独身でもいいのだ。


ふぅと息を吐く。

意識を切り替えて花瓶を持って立ち上がった。


読んでいただき、ありがとうございました。

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