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小さな花の物語  作者: 燈華


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追憶の花2

紫苑の花が揺れている。

私の記憶も心も揺れる。

そうなれば意識は簡単に過去に飛ぶ。


屈託なく微笑(わら)っていたあの頃。

傍には初恋の人がいた。

初めての恋人でもあった。


彼との時間はすべて青春だった。

甘酸っぱい青春だ。


紫苑の花が咲き乱れる中を手を繋いで歩いたこともあった。

ベンチに座って何時間でも話していたこともあった。


彼と一緒にいればずっと楽しくて幸せで。

ただ歩きながら話すだけでもよかった。


あの頃が一番輝いていたのは間違いない。

今でも色褪せることなくその思い出が輝いているのは確かだ。


だけど。


紫苑の花の揺れが収まると、私の心の揺れも収まった。

ほんの少しだけ記憶が揺れ、感情や心が揺れただけだ。


追憶はいつだってただ懐かしい。

もう戻りたいとは思わないけど。

ただ懐かしむだけでいい。


私は今の生活が十分気に入っている。

今の私はあの頃よりずっと幸せだ。




読んでいただき、ありがとうございました。

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