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小さな花の物語  作者: 燈華


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あなたとともにの花

ホテルのロビーには風船葛を使った活け花が飾られていた。ふっくらとした実が可愛らしい。


「本当にいいの? 後悔しない?」

「後悔しないかどうかはわからない」


この先の未来で後悔する日が来るかもしれない。

来ないかもしれない。

それはわからない。


未知のことに対して後悔するかどうかなんてわかるはずがない。

だからこれは、覚悟の問題なのだと思う。


これから空港に向かい、飛行機でドイツに向かうのだ。

転勤でドイツに行くことになった彼についていくことに決めたのだ。


もちろん不安はある。

ドイツ語なんてしゃべれない。

付け焼き刃ではどうにもできなかった。

英語だってそれほど得意なわけではない。

彼だって慣れない地で私のフォローまでする余裕はないだろう。


彼の眉が下がる。


「今ならまだ引き返せるよ」


そう言ってくれるのは彼の優しさだろう。


彼はついてきてほしいとは言わなかった。

ついてきてくれたら嬉しい、と言ってくれた。

遠距離になってしまうけど、日本で待っていてくれてもいい、と。


そんな優しさに惹かれたのだった、と改めて思い出し、惚れ直した。

だから心はもう決まっている。


彼に向かって微笑む。

そして口を開いた。


ーーあなたとともにどこまでも。



読んでいただき、ありがとうございました。

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