忍耐の花
ーーもう少し忍耐を覚えろ。
ーーそんなんじゃやっていけないぞ。
誰も彼もが忍耐を求めてくる。
うるさい。
忍耐なんてくそくらえ。
自分は忍耐なんて持っていないくせに自分勝手な。
がるがると心の中で威嚇する。
そんなことを思い出して苛々している私の肩を彼がぽんぽんと叩く。
「どうどう」
「馬じゃないんだけど?」
「似たようなものだろう」
「は? じゃじゃ馬って言いたいの?」
「自覚があるだろう?」
すっと視線を逸らす。
自覚がないわけではなかった。
バロータの鉢植えが視界に入る。
南アフリカの花なのに日本で鉢植えで咲いている。
気候も違うだろうに。
それでも耐えているのだ。
この地に適応するために。
私も本当はそうするべきなのだろう。
でも理不尽なことに対して我慢するのは嫌だった。
ぽんと彼の手が私の頭に乗る。
「まあじゃじゃ馬でもいいけどな」
彼の手を乗せたまま私は彼を見た。
「ただ周りと衝突しすぎてお前が傷つかないか心配なんだ」
彼の目は本気で私を心配していた。
すっとその目から視線をそらす。
「……もう少し、周囲とうまくやるようにするよ」
「ああ、そうしてくれると少しは安心できる」
ちらりと彼を見れば安心したように微笑っている。
仕方ない。
彼のために少し頑張ってみることにしよう。
読んでいただき、ありがとうございました。




