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私を見つめての花
遠くで友人たちと笑い合う彼を見つめる。
彼は私の視線になど気づかない。
彼と私はただのクラスメートに過ぎないのだ。
ーー私を見て、私を見つめて。
本人には言えないから心の中で呟く。
私が彼を見つめるように彼も私を見つめてくれたら。
もうそれだけで天にも昇るような気持ちになるだろう。
……有り得ないけど。
こうして見ていても彼の視線がこちらに向くことはない。
同じ教室内にいるのにあまりにも遠い。
そっと視線を逸らす。
「どうかした?」
「何でもないよ。いい天気だなぁって」
「何それ」
友人は声を上げて笑う。
「まあ、それだけではないことはわかってるけどね」
声を潜めて告げた友人は悪戯っぽく目を輝かせている。
友人は私が彼のことを好きなのを知っている。
じゃのめぎくの絵のついたシャーペンを無意味にいじる。
「青春だねぇ」
「うるさい」
小声で返す。
友人は声を上げて笑った。
教室内はそんな声で溢れているので誰もこちらを注視しないのが幸いだ。
軽く友人を睨む。
「いいじゃん、いいじゃん。青春を謳歌したまえ」
気楽に笑う友人を睨み、彼女が恋をしたら絶対にからかってやると心に決めた。
読んでいただき、ありがとうございました。




