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小さな花の物語  作者: 燈華


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親切の花2

女性が鞄から何か物を出す時にハンカチを落とした。

女性は気づかずにそのまま行ってしまう。


私は急いでハンカチを拾い、彼に言う。


「ちょっと行ってくる」


返事も待たずにぱっと駆け出す。まだ遠くへ行っていなかったため、すぐに追いつく。

驚かせないように隣に並び、「あの」とそっと声をかけハンカチを差し出す。


「落としましたよ」


訝しげに私を見た女性がハンカチを見て表情を和らげる。そしてハンカチを受け取った。


「親切にありがとう」

「いいえ」


笑顔で身を翻した。

走って彼の元に戻る。


「お待たせ」

「ううん、行こう」


二人で並んで歩き出す。

河川敷は秋の野草に覆われている。

まだ暑い日も多い今は草も元気だ。


もうしばらくはこうして散歩ができそうだ。

冬の寒さの中ではいくら誘われても家から出たくはないけど。


何気なく河川敷を眺める。

水面に光が反射してきらきらと輝いている。

川を渡ってくる風が気持ちいい。

野草が風に揺れている。

女郎花(おみなえし)の黄色が綺麗だ。


絶好のお散歩日和だ。

目を細めて微笑(わら)う。

それに気づいた彼も微笑(わら)った。


いつまでも彼とこうして散歩できたらいい。

ただし、寒い冬の間は御免だけど。




読んでいただき、ありがとうございました。

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