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小さな花の物語  作者: 燈華


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心がわりの花

彼の心がわりを責める資格はわたしにはない。

先に彼への気持ちが冷めたのはわたしのほうだ。

たぶん彼もそれを感じ取ったのだろう。

だからそれは別にいいのだ。

不満があるとしたら一つだけ。


「だけど、別れ話もせずに次に行くのはどうかと思う」

「あー、まあそうね」


小学校からの親友がわたしの言葉に頷いてくれる。

やはりそうだろう。親友が同じ考えだと心強い。

力強く頷くと彼女に告げた。


「明日、彼と会うんだ」

「呼び出されたの?」

「呼び出したの。きちんと別れ話をしようと思って」

「まあそれがいいね」


親友も頷いてくれる。


「でも大丈夫? 別れるつもりはないってごねたりしない? ストーカーになったら事だよ?」


ごねる心配はしていない。

向こうだって別れたいと思っているのだろうし。

むしろとっくに別れているつもりだった、と面倒くさい顔をされる可能性のほうが高いだろう。


「大丈夫だよ。向こうだってもうわたしに気持ちなんてないんだろうし」


彼はわたしが好んでつけていたちょっと珍しいトウワタの花を模したピアスをつけなくなったことに気づいていたのだろうか?

あれは彼からのプレゼントだった。

彼への気持ちが冷めてからはつけることもなくなった。


「だといいけれど……」


親友の顔が心配に曇る。

彼女は本気で心配してくれているのだろうけど、私は大丈夫だと踏んでいる。


女性と腕を組んで歩いていたのだから言い逃れはできまい。

本当に一言「別れたい」と言ってくれるだけでよかったのだ。

それだけで別れてあげたのに。


それも明日までだ。

明日すっぱりと別れて次に進もう。




読んでいただき、ありがとうございました。

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