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小さな花の物語  作者: 燈華


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揺れる心の花

ぷかぷかとホテイアオイが浮かんでいる。

その水面下ではメダカが呑気に泳いでいる。

羨ましい。

何の迷いもなさそうで。


揺れる心を抱えて私はただここにいる。

進むことも戻ることもできない。


ああ、でも、ここからどこにも行けないというのは同じかも。

メダカはこの睡蓮鉢の中しか行けない。

一生をこの睡蓮鉢の中で過ごすのだ。

それは少し気の毒ね。

でも呑気に泳ぐ姿にすぐに同情心なんて消える。

いいね、呑気で。

どこにも行けないくせに。

この睡蓮鉢の中で一生を過ごすくせに。


知らず溜め息を漏らす。

でも本当はメダカは水さえあればどこにでも行けるのだ。

ただ閉じ込められているだけで。

それさえも錯覚だろうか?

きっとそう。

閉じ込められていると錯覚して外にある世界に気づいていない。


ふと思う。

それは私も同じだろうか?

どこにも行けないと思っているだけだろうか?

本当は外にある世界への扉を見逃しているのだろうか?

そうだとしたら……

私はどうしたいのだろう?

わからないまま、立ち尽くす。



読んでいただき、ありがとうございました。

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