おせっかいの花
「本当におせっかい。いい加減にしてほしいよ、まったく」
聞こえてきた声に思わず足を止める。
私のことを話題にしているのはすぐにわかった。
彼の声からは心底うんざりしていることが伝わってくる。
彼の言葉に続く同級生たちの言葉も彼の言葉に追随するものばかりだった。
小さく唇を噛んだ。
おせっかいなことくらいわかっている。
それでも性分なのだから仕方ない。
それを煙たがられていることだって何となく察していた。
でも、こんなふうに言われるなんて……。
身を翻した。
とてもではなく何事もない顔で彼らの前に姿を見せることはできなかった。
歩いて歩いて建物を出る。
それでも歩いて、ふと花壇の前で足を止めた。
ぼんやりと植えられた花を眺める。
縷紅草の花や葉が風に揺れている。
私の気持ちみたいだ。
ゆらゆらと揺れて定まらない。
風が止む。
少しの間ゆらゆらと揺れていた縷紅草もやがて動きを止めた。
何故か私の心の揺れも収まった。
彼から離れよう。
きっとそのほうがお互いにいい。
疎んでいる私が傍にいなくなればきっと清々したと思うだろう。
胸がつきんと痛んだ。
それでもあんなふうに言われてまで傍にいるほど私は強くない。
顔を上げる。
私は一歩を踏み出した。
読んでいただき、ありがとうございました。




