あなたの姿に酔いしれるの花
うっとりと彼を見つめる。
それを許してくれている彼はただ苦笑する。
「本当に君は僕の見た目が好きだね」
「見た目っていうか仕草も含めた行動もね」
「それは喜んでいいのかな?」
「それは貴方の自由じゃない?」
喜ぶかどうかは私が決めることじゃない。
嬉しいと思えば喜べばいいし、嫌だと思えば怒ればいい。
それは彼の自由だ。
「……君、そういうところがあるよね」
きょとんとする。
私は別に変なことは言っていない。ごくごく一般的なことだろう。
はぁと彼が溜め息をつく。
「まあ喜んでおくよ」
「うん」
あまり喜んでいるようには見えないけどそれは私の関知するところではない。
感情というのはとても個人的なものだ。
他人が強制できるものではないのだ。
自分で扱えるのは自分の感情だけ。
私は彼の姿を見られるだけで幸せなのだ。
それでいい。
またじっと彼の姿を見てしまう。
それに気づいた彼がにっこりと微笑う。
「でも、そうやっていつまでも僕を見ていて。余所を見ないでほしいな」
微笑っているのに目だけ真剣だ。
ああ、本当に。全然伝わっていない。
そっと耳元で囁く。
「私はずっとあなたの姿に酔いしれているよ」
近くではクルクマの花が風に揺れていた。
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