↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな花の物語  作者: 燈華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

217/247

完全の花

彼と並んで座りながらぽつりと漏らす。


「完全って難しいよね」


彼は腕を組んで考える。

だけどすぐに私を見た。


「二人一緒なら完全じゃない?」

「あ、そうかも」


一人では不完全でも不完全な二人が揃えば確かに完全かもしれない。


「でもその発想はなかったな」

「あ、そう?」

「うん。何か一人で完全じゃなきゃって思ってた、かも」

「そこに僕も入れておいて」

「わかった」


二人で完全なら彼を入れないという考えはない。

彼はほっとしたような表情を浮かべた後で素朴な疑問を呈してきた。


「そもそもさ、完全って何だろうね?」

「真ん丸な満月みたいなものじゃないの?」

「満月以外の月は完全じゃないの? だとしたら一瞬だよ?」

「まあ、確かに」

「そう考えると、逆に何だって完全かもしれないよ」

「逆に?」


それは大胆な発想の転換だ。


「きっとこれだって神様から見たら完全なんじゃない?」


テーブルの上に飾られているフラワーアレンジメントのユーコミスをつんつんとつついて彼は言った。

別名パイナップルリリー。小花がたくさん集まってまるでパイナップルのように見えるユニークな花だ。


「結局神様視点か」

「いやそれ以外に完全と評価できるものってなくない?」

「あー、そう、かな? そうかも」

「でしょう? 神様から見て全て完全でいいんじゃない?」

「うーん、まあ、それでもいいか」

「そうそう。まあ自分が完全だと思えるならそれはそれでいいと思うけど」

「適当だね」

「そうだね」


二人で吹き出すように微笑(わら)う。


「そろそろ行こうか?」

「そうだね」


今日はフラワーアレンジメントの展示会に来ていた。

ちょっと疲れたので少し休憩していただけだ。


"完全とは?"と話題にしたのは最後に見た作品のタイトルが「完全」だったためだ。

休憩時のちょっとした言葉遊びだ。


二人で立ち上がって会場へと戻っていった。


読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。