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小さな花の物語  作者: 燈華


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燃える思いの花

「俺たち、もう一度やり直さないか?」


元カレに呼び出されて、何の用かと思っていたがそんなことだった。

今さらそんなことを言われても、と言うのが正直なところだ。


付き合っていたあの頃は本当に好きだった。

燃える思いに身を焦がしてしまいそうなくらいに。


貴方への燃える思いが今でもあればよかったのに。

全ては灰となり、何も残ってはいない。

二人で別れを決めた時に全ては燃え尽きたの。

灰にいくら火をつけようとしても決してつくことはない。


だから答えは最初から決まっている。


彼の目にはあの頃の残り火のような熱がちろちろと揺れているようだ。

懐かしさや逃避ではないのかもしれない。

だけれど、私にはもうその熱はない。


記憶の端で濃いピンク色の花がちらちら揺れている。

リアトリスの花。

どこかの庭園で見た花。


二人でリアトリスを見たあの時間(とき)で時間が止まればよかったのかもしれないわね。

あの後から少しずつすれ違ったのだもの。


でも、もう何もかもが遅い。

今さらあの頃には戻れない。


私はそのことを告げるために口を開いた。


読んでいただき、ありがとうございました。

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