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小さな花の物語  作者: 燈華


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よい便りを待っていますの花

今日は朝からそわそわして落ち着かない。

何度も何度も郵便配達人が来ないかと外を確認してしまう。


今日手紙が来るはずなのだ。

昨今の郵便事情だと必ずこの日、というのは難しい。


言われていた日付けは昨日か今日だった。

昨日来なかったので今日は来るはずだ。

確実ではないけど、きっと、たぶん大丈夫。

うん、と大きく頷く。


内容には、不安があるけれど。

わざわざ手紙で知らせるというのも不安だ。


彼は大事なことは手紙で知らせるのが好きだ。

良いことも、悪いことも。

本当に昔から何故か。

連絡してくれた時に伝えてくれればいいのに。


そのことは不満だった。

伝えても大事なことだから、と言うばかり。

だから諦めた。

今回もだ。


言いたいことは一つだけ。


「よい便りを待っています」


声を大にして言いたい。

悪い知らせなどお呼びじゃないのだ。


そんなことを考えて不安から目を逸らしていると、バイクの音が近づいてきた。


「来た!」


窓に駆け寄り、外を窺い見る。

郵便受けが見え、向こうからはこちらの姿が見えにくいベストポジション。


郵便受けに手紙が入れられて郵便配達人のバイクが去ってから外へと飛び出す。


郵便受けを覗けば待ち望んでいた手紙が入っていた。

手を伸ばして手紙を取り出す。

その場で開封したいのを堪えて中に入る。


机に駆け寄り、菖蒲(あやめ)の模様のついたペン立てから(はさみ)を取る。

中の便箋を切らないようにして封筒を切る。

鋏を戻して、便箋を取り出した。


気を落ち着かせるために何度か深呼吸をしてーー開いた。

文面に目を通す。


ーー受かった。来年からそっちに行くよ。


「よかった……」


私はへなへなとその場に崩れ落ちた。




読んでいただき、ありがとうございました。

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