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小さな花の物語  作者: 燈華


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あなたの望みを受けますの花

付き合って三年の彼が海外赴任することになった。


先日プロポーズされた。

結婚して付いてきてほしい、と。


即答できるものではなかった。

考えさせてほしい、と告げた。

彼もすぐに返事がもらえるとは思っていなかったのだろう、あっさりとわかったと頷いていた。






彼に付いていくなら仕事はやめなければならない。

語学も不安だ。

友人も知人もいない。

当然地縁もない。


そんなところに彼だけを信じてついていけるのか?


はっきり言ってしまえば、そこまで彼を愛しているか、だ。

今までの生活を全て捨てるとはそういうことだ。


それともう一つ。

彼に会えなくなってもいいのか?






何日も自問自答した。

その間、彼とは会わなかった。

連絡も取らなかった。


彼にはこちらから連絡するまで連絡しないように頼んであった。

たぶん彼は落ち着かない気持ちだっただろう。

それでも私との約束を守って連絡をしてくることはなかった。


自分の心にじっくりと向き合いーー結論を出した。






そして、今日、彼に返事を告げることにした。


緊張している。

彼の顔も緊張している。

お互いに言葉も出ないくらいに緊張している。


彼は私の答えを待っているのだ。

動くなら、私からだ。


一つ深呼吸をした。

それから返事の代わりにフロックスの花を差し出した。


「意味、わかる?」


前に二人で面白がっていろいろな花の花言葉を調べたことがあった。

その中にこのフロックスの花もあった。

彼は覚えているだろうか?


目を見開いた彼はすぐにくしゃりと微笑(わら)った。

意味を覚えていたようだ。


「ありがとう」


ぎゅっと抱きしめられる。




フロックスの花言葉はーー「あなたの望みを受けます」だ。



読んでいただき、ありがとうございました。

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