優美な女性の花2
彼に会った途端、私は彼に詰め寄るようにして問い詰めた。
「昨日、優美な女性と一緒だったでしょう?」
「昨日?」
「惚ける気?」
「そんなつもりはないけど。どこで見たの?」
私が場所を告げると彼がああ、と心当たりがあるような顔になった。
「やっぱり会ってたんじゃない!」
彼は落ち着けと私を宥めてから告げる。
「優美、かどうかはわからないけど、それ姉貴だな」
「お姉さん?」
「そう。今度会わせるよ。姉貴も会いたいって」
「え、私のことを話したの?」
「当然。何か問題だった?」
「問題はないけど……」
単純に驚いただけだ。
姉弟でそういう話をするのか、と。
姉弟仲がいいのかもしれない。
私にも弟はいるけど、お互いにそういう話はしない。
別に不仲というわけではなく、一般的な姉弟関係だと思っている。
世の中の姉弟は恋人の話など姉弟にはしない。たぶん。
「そっか。よかった」
それから彼が私の耳元を見て微笑む。
「そのイヤリング、つけてくれたんだ。嬉しいな」
職業柄、ピアスをつけられない私のために彼が贈ってくれたイヤリングだった。
モチーフはカルミアという花だと聞いた。
君のような花だからーーと。
どういう意味かと尋ねても答えてはくれなかった。
「だって、貴方が贈ってくれたものだから」
「その理由も嬉しい。それによく似合っているよ」
「ありがとう」
「やっぱ僕の見立ては正しかった」
「そういうことになるでしょうね」
「うん」
彼の微笑が深くなる。
「さて君の誤解も解けたし、行こうか?」
「ええ」
自然と手を繋いで歩き出した。
読んでいただき、ありがとうございました。
※仕事中はイヤリングも外してます。




