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小さな花の物語  作者: 燈華


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臆病な心の花

見事な芝桜の絨毯が広がっている。


「綺麗だな」

「本当。来てよかったー」


彼に誘われて遠出してきた。

彼とはもう何回も二人で出掛けているけど、恋人ではない。

あくまでも友人同士、ということになっている。


彼にも私にも恋人も伴侶もいないから不倫では断じてない。

あくまでも私の気持ちが違うのだ。

私は彼のことを友人だとは思っていない。

本当は、恋人になりたいと思っている。


だけど臆病な心が関係を変えるのを恐れているのだ。

友人のままなら今のように一緒に出掛けられる。

近い場所にいることができる。

それでいいじゃないか。

そう思っていた。

とにかくこの関係が壊れるのが怖かった。


私はどこまでも続いているように見える芝桜を見渡す。

ふとここでなら告白できるかもしれないと思った。


どこまでも広がっていく光景に私の心も解放されたのだろうか?

いつもの臆病さは鳴りを(ひそ)めている。

代わりに湧き上がってきたのは勇気だ。


彼は友人としか思っていないかもしれない。

気持ちを伝えてしまったら、もうこのように二人で出掛けることはできないかもしれない。

それでも、一歩前に進みたい。


彼の名を呼ぶ。

どうしたのかと振り向いた彼に告げた。


「好き」


彼の頬が赤く染まる。

彼は片手で口許を覆い、目を逸らした。


「俺も好きだ」


そう真っ直ぐに私を見て言ってくれたのは、それからしばらく経ってからのことだった。




読んでいただき、ありがとうございました。

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