けがれなき心の花
目の前に置いたスノーフレークの花をじっくりと観察する。
白いうつむき気味の花が鈴蘭のように連なっている。
白は純潔やけがれのない心を表すと言われている。
その意味では絵画や結婚式でよく使われる色だ。
スノーフレークの花はうつむき気味に咲いていて控えめでそのモチーフにぴったりの花だ。
ああ、でも赤ちゃんとの組み合わせのほうが合うかな?
赤ちゃんの背後に天使の羽を描いたりして。
けがれなき心って感じかな?
イメージが掴めてきた。
赤ちゃんがスノーフレークの花に笑顔で手を伸ばしているところなどどうだろう?
ああ、いいかもしれない。
イメージの思い浮かぶままいくつかラフ画を描く。
依頼はスノーフレークの花を入れたイラストだ。
そのイラストから短い話を書くのだそうだ。
これは雑誌の企画だ。
毎号別のイラストレーターと小説家が組む。
イラストレーターと小説家には相手のことは明かされない。
先入観をなくすためだとか。
雑誌に載って初めて知ることになるのだ。
だから誰が話をつけてくれるかはわからない。
私はこの企画が好きで毎号楽しみにしている。
だからこの企画の依頼があった時は二つ返事で引き受けた。
渡されたテーマで苦悩したけど。
だからこそ実際にスノーフレークの鉢植えを買ってきた。
実物が目の前にあればインスピレーションが湧くかと思って。
そしてどうやらこの方向性でうまくいけそうだ。
何枚か描き上げてみて編集部に送ればいい。
どのような話ができるのか今から楽しみだ。
読んでいただき、ありがとうございました。




