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国の礎

白光が魔の森で炸裂する。


数千層にも及ぶ氷の結界を揺るがす程の、魔力の爆発が起こった。エリューシスの結界がなければ、辺り一帯は爆発に巻き込まれていただろう。それ程大きな魔力が炸裂していた。

瘴気が光魔法の魔力で浄化されていく。いや、搔き消されていく、といった方が正しい。

爆発的な魔力で瘴気が霧散していった。


エリューシスは突然の事に目を見張り、しかし行使してしまった魔法は止まらず、全ての魔物を殲滅するまで、氷の裁きは終わらなかった。



エリューシスの極大魔法は、魔物の一匹も取りこぼすことなく、殲滅させた。

魔の森には氷像がいくつも経ち、夥しい魔物が地に伏していた。

氷の結界はホロホロと融けていき、巨大な氷剣も、オーロラも、やがて霧散していく。



魔力を枯渇させたエリューシスの体がふらつく。シリウスはその身をぎゅっと抱きしめた。

死んでしまったかと思うほど、冷たい体だった。




「聖女ユイ・アマツガワと、戦乙女エリューシス・スカルタスによって瘴気は浄化され、魔物は駆逐された!スタンピードの懸念は払拭された!!」


王太子が声を張り上げる。


「聖女は国の礎になる事を選ばれた!!聖女に哀悼の礼を捧げよ!!」


第二王子の言葉に、騎士達は一斉に剣を捧げた。




エリューシスはシリウスに抱きしめられながら、ボロリと涙を落とした。

「お前が流す必要のない涙だ。聖女は浄化の秘儀を諦め、怠惰に過ごした。だから、国の礎とするしかなかった」

シリウスは冷たく言い放つ。

それでも、涙を流さずにはいられなかった。




ユイの死は、エリューシスが運命を覆した故に齎されたものだった。





ユイが着ていた純白の()()()()の切れ端が、風に飛ばされた。



お読みいただきありがとうございました。

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