表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/154

13・3


 先生だろうか。まったく嫌なタイミングで目をつけられたものだ。


職員と見られるその男は部屋の中に入えると、すぐさま自分の元へ近づいてきた。

自分は目を凝らしながら、その男の顔を確かめると――。


ハクは慌てて立ち上がった。

よりによって生徒指導の先生だとは思わなかった……。


「……すいません」ハクは迅速に謝った。

「何をしているんだと言っているんだ」生徒指導はさらに口を尖らせる。

「……部室を、掃除してました」

「掃除? おまえ一人でか?」

「そうです」


 周囲を見渡す先生。すぐにその変化に気づいたらしく、目を丸くしている。


「たしかに……きれいになっているな。前まで埃まみれだったからな、ここの部屋は」


 先生は再び厳しい眼差しで、再び自分の方へ向き直った。

 あまりの威圧さに、ハクは死んだ魚のように固まる。


「で、どうしてここを掃除していたんだ?」


 当然、そう聞いてきた。


「その、新しく部活を作って……それで新しくここを部室として使わせてもらうことになったので……だから掃除を」

「部室? 許可はちゃんと取っているんだろうな?」

「はい……担任の谷崎先生に使っていいと言われました」

「ああそうか。事情はわかった」と先生。「だがな、もうとっくの前に完全下校の時間が過ぎてるぞ」

「……?」きょとんと、ハクは目を丸くした。

「時計も見らずに行動していたのか? いいからさっさとここを出て帰宅しなさい。わかったか?」

「はい。わかりました」

「気をつけて帰えるんだぞ」


 「はい」と返事をした後、ハクはそのまま早歩きで下駄箱に向かった。




 家に帰って時間を確認すると、すでにもう八時を回っていた。


「おかえり。どうしたの……今日こんなに遅く帰ってきて」


 帰宅すると、真っ先に母が出迎えてきた。当然自分に怪訝な視線を向けてくる。


「あぁ、えーと……。ちょっと、先生に怒られてた」


 すぐさまお風呂場へと走る。取り調べのように事細かく聞かれるのは御免だ。


「え、ちょっと待って。怒られてたって……何か問題でも――」


 ドンッ。そんな母をよそに、ハクは強く引き戸を閉めた。


しかしその後も、あまりに執拗に聞いてくるものだったので、「大したことじゃないから大丈夫」とだけ少しだけ語気を強めて扉越しに言った。


諦めがついたのか、それとも呆れたのか。掛け続けていた母の声もじきに聞こえなくなった。



 その夜。

 入浴、食事を済ませ、寝間着に着替え歯磨きまで終わらせたハクは、自室のベッドに寝そべりながら携帯をいじっていた。


 適当に開いていたゲームに熱中していた最中、突然メールの通知が表示される。

 ハクは開いていたそのアプリを中断するなり、すぐさまそのメールへと移行した。


液晶越しに映し出されたそれは、本当に思いもしなかったものだった。困惑したように、ハクは思わず顔を歪ませる。


「何、これ……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ